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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十九話 ダンス、ダンス、ダンス!!なのです。
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う・・・・」

 ずるずると膝から崩れ落ちるのをとっさにロイエンタールは抱き留めた。

「どうした?具合でも悪いのか?」

 無意識のうちにロイエンタールの声は心配そうな響きを秘めていた。

「ううん違うの。わ、私のコンタクト・・・あれがないと私帰れない・・・・・」
「コンタクト?」

 ロイエンタールはあたりを見まわした。ふと、目の前の相手のスカートの裾にそれが引っかかっているのが見えた。

「あったぞ。そこにある」

 指し示す先にあった愛用のコンタクトを見つけて、目の前の女性はすばやくそれを目にはめた。

「・・・・ありがとう」

 声は小さかったが、それでも素直な響きを持っていた。だが、ロイエンタールにはそんなことはどうでも良かった。

「貴官は義眼なのか?」
「違うわよ。あのね・・・・」

 目の前の女性はそっとあたりを見まわして声を出した。

「・・・私の瞳の色、赤色なの。両方とも・・・・。それって聞いたことないでしょ?小さいころから皆に嫌われて、怯えられて・・・だからコンタクトしてるの。両親に無理やり手術を受けさせられようとしたこともあったわ」

 ロイエンタールは声にならない声を出していた。なんということか、この目の前の女性も自分と同じような境遇を持っているのだ。もっとも自分の方は愛人の子だという不名誉なおまけまでついてきているのだが。

「そうか・・・・」

 ロイエンタールはただ一言そう言っただけだったが、次の瞬間女性に軽く頭を下げた。

「すまなかった。俺としたことが女性を突き飛ばして謝りもしないとはな。どうだ、一杯奢ろう。水に流せとは言わんが、そうさせてほしい」
「・・・・・」
「駄目か?」
「いえ、いいけれど・・・・あの、私の方こそ、ごめんなさい。生意気なことを言って・・・・」
「いや、上官に対しては非礼かもしれないが、言うべきところは言うその美点は賞賛に値する。名を、聞いておこうか」
「ティアナ。・・・・ティアナ・フォン・ローメルド」

 ロイエンタールの眉が面白そうに上がった。

「ほう、あの3羽烏の一人のフロイレイン・ティアナか、光栄だな」
「あなたは?」
「ロイエンタール、オスカー・フォン・ロイエンタールだ」
「あなたが!!」

 今度はティアナが驚く番だった。まさかと思ったが、こうしてロイエンタールに真正面から会えるとは思わなかったのである。
 二人は仲好くカウンターの席に並んだ。周りの人間はほっとしたようにそれぞれの会話に戻っていく。不機嫌顔をしたマスターが乱暴にグラスを二人の前に置いたが、二人は気にならなかった。話が弾むというのではなかったが、時折相手の話にききいったり、うなずいたり。それがなぜかロイエンタールにとっては安
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