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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十九話 ダンス、ダンス、ダンス!!なのです。
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眼でにらみつける。
「お〜するさするさ、俺にはな、あのイルーナ姉様しか目に見えないんだわ。」
「気色わりいんだよぉ!!『姉様』とかいって、お前シスコンか!?」
「イルーナ姉様をバカにするなぁ!!」
とたんに一斉にイルーナ派を自称する男どもが立ち上がった。
「ワ〜ワ〜ワ〜!!!」
「ギャ〜ギャ^ギャ〜!!!」
と、後は言葉にならないほどの喧騒に包まれた。
笑い事ではなく、今やフィオーナ推し派とティアナ推し派、イルーナ推し派がいたるところで火花をちらし、しのぎを削っているのだった。全体割合で言うと3者推し総計は58パーセントであるから、すっかり3色に染まったというわけではないのだが、その熱気たるや暑苦しいを通り越して、灼熱の異常気象というべきものであり、これらの会話がなされているイゼルローン要塞の各所の温度を測ると、明らかに他よりも10度ほど高くなっていることが統計上わかった。
そういうわけで、フィオーナ、ティアナ、そしてイルーナはダンスパーティー当日まで逃げ回るようにして要塞内を駆けることとなった。どこにいても何をしていても、自室にいてさえ、どういうルートでやってくるのか、直接、間接、電子メールの一個艦隊規模の大攻勢が来るのである。たちまちのうちに彼女たちのメールボックスは一杯になり、手紙は洪水と化し、付近の廊下には非常線が張られることとなった。
「これは・・・・もう、一個中隊を護衛につけてもらわないといけないわね」
冗談交じりに言うティアナだったがその顔色は悪い。
「いっそ上司に打診して、艦を単独演習の名目で出撃させてもらうよう頼んでみようかしらね」
イルーナが思案する。
「教官はそれでいいのかもしれませんが、イゼルローン要塞憲兵部に所属する私たちはそうはいきませんもの。あ、まさか!!可愛い後輩二人を犠牲にして逃げるんですか?!」
「ち、違うわよ・・・・」
イルーナの返事にいつもの明瞭さはない。
「・・・だってさ、フィオ」
「やっぱり・・・・」
「わ、わかりました。あなたたちを犠牲にして私だけ逃げるわけにはいかないものね。いいわよ、そうしたら私が盾になるわ。そのすきに――」
そんなここは戦場じゃないんですから、などと二人が応じ、イゼルローン要塞女子士官区画内部には3人の笑いが満ちた。
「ちょっとあんたたちさぁ」
背後で声がした。それも敵意のある声が。3人が振り向くと数十人の女性士官が冷たい目でこちらを見ている。
「何か用ですか?」
少尉、中尉、大尉等の尉官だから佐官及び佐官任官寸前の3人とは対等に口がきけないはずなのだが、彼女たちは目を光らせて近づいてきている。
「・・邪魔なんだよね、せっかくのダンスパーテ
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