第23話
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〜数年前〜
「ちょ、ちょっと待ってよ………!しばらく旅に出るって………そんないきなり。一体どこに行くつもりなのさ?」
幼少のロイドは驚きの表情で家を出ようとする青年に尋ね
「レミフェリア公国だ。なァに、しばらくと言っても2ヵ月くらいで済むだろう。場合によっちゃ、半月足らずで帰ってくるかもしれん。」
尋ねられた青年は何でもない風に答えた。
「そ、それはわかったけど……兄ちゃん、一応は警察の捜査官なんだろう?そんな長い間、旅行なんかしてもいいのかよ?」
「おっ、なんだなんだ〜。お兄様が留守にするのがそんな寂しいか〜?もう、ロイドきゅんったら寂しがり屋さんなんだから〜っ。」
ロイドに尋ねられた青年はからかうような口調でロイドに言った。
「………2ヵ月と言わずに2年くらい旅行してればぁ?僕、そのくらい一人で平気だし。」
青年にからかわれたロイドはジト目で青年を見つめて言った。
「ウソウソ、調子に乗りました。実はな………これには深い訳があるんだよ。トップシークレットってやつだよ。」
「うさんくさいなぁ。ちなみに聞くけど、どんなトップシークレットなのさ?」
「おう、よくぞ聞いてくれた。実はな………とびっきり可愛い女の子をエスコートしながらの旅なんだ。」
「へ………」
青年の話を聞いたロイドは呆けて青年を見つめた後
「その子と一緒に、麗しの北国、レミフェリアへ逃避行ってわけだ。どうだどうだ、うらやましかろう?」
「……………………」
蔑むような視線で青年を見つめた。
「とまあ、冗談はこのくらいにして。俺がいない間、お前の夕食はお隣さんにお願いしといたからな。朝昼くらいは自分で何とかしろよ?」
「いや、食事くらい自分で何とかできるけど………――――じゃなくて!可愛い女の子って……いったいどういうつもりだよ!?そんなこと、セシル姉に知られたらどうするつもりさ!?」
「へっ………なんでそこにセシルの名前が出てくるんだ?」
「なんでって………ああもう!(セシル姉も何だってこんな鈍感な馬鹿兄貴をっ………)」
青年に尋ねられたロイドは叫んだ後、青年を睨んでいたが
「???ていうかセシルにはもうとっくに話してるんだが…………」
「!?」
青年の話を聞き、信じられない表情をした。
「んー、なんか妙な誤解があるみたいだな。旅って言っても一応、警察の出張だぞ?それにその子は………まだ………歳なんだから………」
〜朝・特務支援課〜
「…………ん…………」
数年前の出来事を夢に見ていたロイドは目を覚ましてベッドから起き上がった。
「………夢、か………懐かしいな………あれはいつ頃だったっけ…
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