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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(零篇)
第22話
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傷ついた人達を癒すために世界中を周っているし………母親の我儘で娘の仕事を邪魔するわけにはいかないでしょう?」

「…………なるほど。」

セシルの説明を聞いたティオが納得した様子で頷いたその時、ティオのエニグマが鳴りはじめ、その事に気付いたティオはエニグマの通信ボタンを押して耳に当てた。

「―――はい、特務支援課、ティオ・プラトーです。」

「ティオか?まだ、用事は終わらないのか?」

「ロイドさん。………いえ、今ちょうど終わった所なのですぐに向かいます。」

「そうか。俺達は今バス停で次のバスを待っているからできるだけ急いでこっちに向かってくれないか?」

「………了解です。すぐに向かいます。」

ロイドとの通信を終えたティオはエニグマの位置を元に戻した。

「………聞きたい事も聞けたので私はこれで失礼します。………これからもよろしくお願いします。」

「ええ。あ、もしよかったらロイドと恋人になることも考えてね?とっても可愛い男の子なんだから♪」

「…………一応、考えてはおきます………―――ラグタス。」

そしてセシルに微笑まれたティオは呆れた表情で溜息を吐いた後、ラグタスを召喚し

「ラグタス。手間を取らせて申し訳ないのですが、病院の外にあるバス停まで私を乗せて飛んで行ってもらえませんか?」

「わかった。」

「………それでは今日はこれで失礼します。」

「またね、ティオちゃん。」

ラグタスの肩に乗せてもらい、ティオを肩に乗せたラグタスはセシルに見送られながら飛行してバス停に向かった。



〜ウルスラ病院・外〜



「ティ、ティオ!?」

「おー、これはまた驚きの登場だな………」

上から降りて来た肩に乗せたラグタスに気付いたロイドは驚き、ランディは感心した様子でラグタスを見つめていた。

「………お待たせしました。ご苦労様です、ラグタス。」

ラグタスから降りたティオは自分の身体に戻し

「用事って結局何だったの?」

エリィはティオに尋ねた。

「………知り合いに挨拶をするのを忘れていまして。その人との話がはずんで、予定より遅くなりました。………すみません。」

「そういう事ならいいさ。………けど、知り合いって誰なんだ?俺とルファ姉みたいにここで働いている人の知り合いなのか?」

「ええ。機会があればロイドさんがセシルさんを紹介したみたいに私も紹介します。」

(ティオすけの知り合いもナースで美人でありますように………!)

「あのな………」

ティオの説明を聞き、必死の表情で小声で呟いたランディの言葉を聞いたロイドが呆れたその時、バスが近づいてバス停に停まり、ロイド達はバスに乗った。




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