第21話
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すけど……」
「………いいよ。気になった事は何でも言ってみて。」
「その………さっき話した音が聞こえてくる最中なんですけど……なにか………キーンってかすれた音が聞こえたような気がしたんです。
「キーンとかすれた音……」
「ふむ、特定の魔獣が発する、独自の鳴き声かなんかか…………」
「気になる話ね。」
シズクの話を聞いたティオは話の内容を繰り返し、ランディとルファディエルは考え込んでいた。
「その音は、普段は聞こえないのね?」
「はい…………あの晩だけだと思います。その……やっぱりわたしの空耳の可能性もあるかも…………」
「いや………貴重な証言、ありがとう。―――セシル姉。色々とわかったことがあるから一通り報告させてもらうよ。」
「うん、わかったわ。それじゃあシズクちゃん。また夕食の時に来るわね。」
「はい。お仕事頑張って下さい。ロイドさんたちも…………調査、頑張ってくださいね。」
「うん、ありがとう。」
「また、来るわね。」
そしてロイド達はセシルと共に病室を出た。
「セシル姉。その、彼女は……」
「うん…………数年前の事故で目の光をね。でも、まったく回復の見込みがないわけじゃないの。少しずつ回復治療を受けながら療養生活をしているのよ。」
「そうだったのか…………」
セシルの説明を聞いたロイドは重々しく頷き
「その……………他にも治療法はないのですか?」
ティオはセシルから視線を外して尋ねた。
「他の治療法………?」
ティオの話を聞いたエリィは首を傾げ
「はい。…………例えば治癒魔術とかです。治癒が専門の異世界の宗教ならシズクさんの目の光を治すことも可能なのでは?」
「あ………!」
「なるほど………癒しが専門のイーリュン教ならありえそうだな。」
ティオの説明を聞き、ロイドは声を上げ、ランディは納得した表情で頷いた。
「う〜ん……実はその案も出て、イーリュン教に依頼して治癒魔術ができる方にお願いした事もあったんだけど…………相当の力を持つ術者でなければ、治す事は難しいって言われてね………」
一方セシルは考え込んだ後、複雑そうな表情で答えた。
「そんなに難しいのか………」
セシルの答えを聞いたロイドは驚き
「………セシル。確か貴女、イーリュン教の信者で治癒魔術が使えたはずよね?貴女でも無理だったのかしら?」
「え…………」
「セシルさん、イーリュン教の信者だったんですか?」
一方考え込んでいたルファディエルは尋ね、それを聞いたティオは驚き、エリィは意外そうな表情で尋ねた。
「ええ。………最も、治癒魔術を使えるようになったのは最近だけどね………それ
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