第21話
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………皆さんはお父さんのお知り合いなんですか?」
「い、いやぁ、知り合いというか………前に危ないところを助けてもらったんだけど………」
「ふふ、そうだったんですか。うちのお父さん、無愛想だからお気を悪くされませんでしたか?」
「そ、そんな、とんでもない。こんな偉い人がいるんだなって身が引き締まったっていうか………」
「厳しいけど思いやりがあって、頼りになりそうな方だったわ。ふふ、素敵なお父様ね。」
「え、えへへ………ありがとうございます。」
「うふふ、シズクちゃんはお父さんっ子だものねぇ。そのくせ、お父さんが訪ねても遠慮してあんまり甘えないし……『お父さん大好き!』とか言って抱きついちゃえばいいのに。」
ロイド達の話を聞き恥ずかしがっているシズクを見たセシルは微笑んだ後からかった。
「セ、セシルさんったらぁ………」
「はは…………」
セシルのからかいに顔を赤らめているシズクを見たロイドは微笑ましそうに見つめ
(あの凄腕のオッサンが娘に甘えられてる構図か………)
(少し想像しにくいですね………)
ランディとティオは小声で会話をしていた。
「そういえば、例の件なんだけど。実は、ここにいるシズクちゃんが気付いたことがあるらしくって。」
「気付いた事………?」
「えっと、その………リットンさんが襲われた晩のことなんですけど。わたし、眠れなかったから点字の本を読んでいて………その時、悲鳴みたいなのが聞こえてきたんです。」
「本当かい………?」
「それで………どうしたの?」
シズクの話を聞いたロイドは真剣な表情にし、エリィは尋ねた。
「その、気になったのでそこの窓を開けて耳を澄ませたんですけど………それ以上、悲鳴は聞こえなくてかわりにハッハッハッて息づかいみたいな音が聞こえて………しばらくしたらタンタンって何かはねるような音が聞こえて……えっと………それで終わりです。」
「そっか…………その事は警備隊の人には?」
「その、わたしずっと夢でも見たのかと思ってて………さっきセシルさんから話を聞いて初めてその事だって気づいて……ご、ごめんなさい…………もっと早く言ってれば………」
ロイドに質問されたシズクは答えた後申し訳なさそうな表情をした。
「いや、いいんだよ。」
「ありがとう、教えてくれて。」
「しかし………屋上での調査を完全に裏付ける証言ですね。」
「ああ、最初の悲鳴ってのがあの研修医が気絶した時…………そして、狼型魔獣の息遣いとあの木箱やらに飛び乗って逃げていった時の音みたいだな。」
シズクの話を聞いたティオとランディはそれぞれ頷いた。
「そ、それと………その、わたしの空耳かもしれないで
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