第21話
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…………自分達も捜査協力することになったんです。」
「そうなのか…………うーん、やっぱり僕が夢を見たとか思われてるのかなぁ。それとも夢遊病?いやいや、そんなわけが………」
ロイドの説明を聞いた患者は頷いた後、考え込んだ。
「その、できれば改めて聞かせていただけませんか?1週間前の夜、起きた事について?」
「あ、ああ…………」
エリィの話を聞いた患者は頷いた後、再び考え込み、当時の事を思いだして話し始めた。
「――――そうだな。あれは研修レポートを書き上げた深夜のことだった。その研修レポートというのが気難しいことで有名なラゴー教授の指導研修のものでさ。もう全神経を集中する勢いで徹夜で書き上げたもんだから正直、意識は朦朧としてたんだ。意識は朦朧としてるんだけどなんかハイになってるっていうか……そんな状態で夜風に当たっていると………その声が聞こえてきたんだ。…………記憶があるのは実際、そこまでなんだ。翌朝、用務員さんがズタボロになって気絶した僕のことを発見してくれて………それで緊急入院して今現在に至るというわけさ。」
「………なるほど。状況は一通り把握しました。」
「襲って来た魔獣どもの姿ははっきりとは見えてないのか?」
「いや、恥ずかしながらショックで気絶したらしくてね。真っ赤に光る目と白い牙、それと黒っぽい毛並みくらいしか覚えていないんだよ………ただ、警備隊も確認してたけど、狼っぽいと言われたらそうだと思う。」
(………毛皮が黒?)
患者の話を聞いていたルファディエルは眉を顰め
「なるほど…………」
「その………傷の方はどうだったんですか?」
ティオは頷き、エリィは質問した。
「うん、右肩のところに牙で噛まれたような跡はあった。逆にそれ以外の怪我は打撲と捻挫とかくらいでね。たぶん噛み付かれたあと、そのまま床に引き倒されたと思うんだけど…………」
「………なぜか魔獣はそれ以上あなたを襲わなかった。つまり、そういう事ですね?」
「そうそう、そうなんだ!本当なら食い千切られてもおかしくないところなのに…………おまけに場所が屋上だろ?もう警備隊の人にも胡散臭い目で見られちゃってさぁ。しまいには、夜中フラフラ街道に出て魔獣に襲われたんじゃないかって疑われる始末だったよ。」
「でも、あなたが発見されたのはこの建物の屋上ですよね………?」
「うーん、襲われたパニックで屋上まで逃げてから気絶した………その可能性はゼロじゃないかもなぁ。」
「そ、それはさすがに無理があるんじゃ………」
患者が呟いた言葉を聞いたロイドは脱力し
「もう、リットンさん。襲われたあなたがそんな自信のないことでどうするんですか?」
セシルは呆れた後、患者を軽く
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