第21話
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と私も試してみたけど無理だったわ。病院が呼んだイーリュン教の方も言っていたけど………他の種族と比べて魔術師としての才能がよほど恵まれている人以外、魔力が低い”人間”では失明した眼に光を宿す事は難しいと言っていたわ。」
「そうか………あ。じゃあ、”天使”のルファ姉なら可能なんじゃ………!?」
セシルの話を聞いたロイドはある事に気付いてルファディエルに視線を向けたが
「それは止めておいた方がいいわ、ロイド。私は失明した眼の治療方法はわからない上第一、治癒魔術は専門ではないわ。………確かに毒や混乱を治癒する治癒魔術を扱えるけど、それとはまた話が別になるわ。それに専門でもない者が手を出す事は危険よ。」
「そっか…………」
ルファディエルの答えを聞き、残念そうな表情で答えた。
「しかし”人間”以外となるとやっぱりあれッスか?”闇夜の眷属”でないと駄目なんッスかね?”闇夜の眷属”かつイーリュン教のシスターなんて条件の人、いないような気がするんッスけど………」
「――――いえ、一人いるわ。ゼムリア大陸のイーリュン教の神官長を務めておられるティア様ならその条件に当てはまるわ。」
そしてランディが呟いた言葉を聞いたセシルは真剣な表情で答えた。
「そういえば………”癒しの聖女”―――ティア様は”闇夜の眷属”であり、眷属の中でも”最強”を誇る”魔神”の血を引くリウイ陛下のご息女でしたね…………あの方にも”魔神”の血が流れているのですから、術者として相当の力をお持ちなのでしょうね。」
「へ〜………そうだったのか。それにしてもまさか”ゼムリア二大聖女”の両方がメンフィル帝国の皇室関係者だったなんてな。確か”闇の聖女”も皇室関係者だったろ?」
セシルの話を補足したエリィの説明を聞いたランディは意外そうな表情をした後、ロイド達に確認した。
「ああ。”闇の聖女”は”英雄王”の側室の一人のはずだ。それで話を戻すけど、その話を聞いて”癒しの聖女”は呼べなかったの?」
「ええ、残念ながら。あの方は世界中を周って傷ついた人達を癒している上、メンフィル皇女でもあるから祖国の大切な行事に参加する義務もある人でね………スケジュールが埋まっていて、こちらに来る余裕は今の所、ないそうなのよ………」
「そっか…………」
「まあ、宗教のトップなんだから忙しいのは当たり前だよな。」
「………………………」
「………………………」
複雑そうな表情で語るセシルの話を聞いたロイドは残念そうな表情で溜息を吐き、ランディは納得した様子で頷き、エリィは複雑そうな表情で考え込み、ティオは黙ってセシルを見つめていた。
「ふふ………シズクちゃんはとっても健気な子でね。お父さんが忙しい人だから滅多に会えずに寂しいでしょう
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