機動戦艦ナデシコ
1368話
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の住人として考えれば、かなり腕が立つ。
高杉もこの世界の人間として考えればかなり腕が立つが、それでも笠の男の方が技量的に上のように思える。
一応高杉は部屋を襲ってきた男が持っていた拳銃を持っているが、それでも笠の男を相手にしてどうにか出来るかと言われれば……微妙だ。
高杉以外には拳銃を持っていないが、全員で掛かれば笠の男を取り押さえるのは可能だろう。
ただし、その場合はこちら側にも多くの被害が出るのは間違いない。
刀というのは、ムラタが使っているのを見れば分かる通り、使いこなせる者が使えば強大な戦闘力を発揮するのだから。
仕方がない、か。
「いいか? 気配を殺すというのは……こうするんだ」
その言葉と共に、俺は自分の持つスキルの1つ、気配遮断A+を使用する。
瞬間、笠の男が動揺したのが分かった。
当然だろう。つい一瞬前まで目の前にいた俺が、ふと気が付けばどこにも見えなくなっていたのだから。
カメラのような機械を使えば全くスキルの効果はなく、ファンタジー世界ならともかく、科学技術全盛のこのナデシコ世界であれば使い道は殆どない。
だが……それでも、こうして使い所を考えれば有効に使う事が出来る。
「アクセル代表!?」
俺の姿が見えなくなったというのは、高杉も同様だった。
焦って叫ぶ声が聞こえてくるが、まさかそれに反応を返す訳にもいかない。
そのまま気配遮断を使用したまま歩き、笠の男の方へと近づいていく。
「どこだ、どこにいった!」
この場で最も焦っているのは、当然のように笠の男だ。
である以上、こうして手にした刀をいつでも抜けるようにしながら周囲に鋭い視線を向けているのも当然だった。
まぁ、このまま刀で斬られても全く問題はないのだが、それでも混沌精霊としての力はなるべく秘密にしておきたい。
笠の男の背後へと回り込み……
「ここだ」
「っ!?」
そっと声を出すと同時に、手を伸ばして笠の男の首の後ろを鷲掴みにする。
攻撃の態勢を取った事で気配遮断の効果は消えたが、この状態になってしまえば全く問題はない。
「くっ、この、離せ!」
叫ぶ笠の男。
背後から首の後ろを鷲掴みにされては、動きようがないのだろう。
そのまま、一瞬だけ首の後ろから手を離し、笠の男が何か反応をする前に手刀を叩きつける。
瞬間、笠の男は意識を失って地面へと倒れ込むのだった。
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