機動戦艦ナデシコ
1368話
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に気が付いたのだろう。視線を通路の先へと向けていつでも動けるようにしている。
メギロートとバッタの模擬戦を見るにあたって、当然のように俺とイザークも部屋に武器を持ち込んでいなかった。
だが、シャドウミラーの実働班には、武器を持たなければ戦えないないって奴は基本的にいない。
エヴァとの訓練により、それこそ並大抵の相手であればどうとでも出来るだけの実力は持っている。
そもそも、瞬動や虚空瞬動を使える時点で普通の人間がどうこう出来はしないしな。
「アクセル代表? どうしたんです?」
「……どうやら秋山が陽動をする為に動いたのは、寧ろ今回の件を企んだ奴の狙い通りだったみたいだな」
「は? どういう意味ですか?」
納得出来ないといった表情の高杉。
まぁ、あれだけ秋山に懐いていたのを考えると、俺の言葉を素直に納得出来なくても仕方ないか。
「詳しい事は、そこにいる奴に聞けばいい。そこにいるんだろう? 出てこいよ」
その言葉に、イザーク以外の者達……高杉や他の木連兵士達は一斉に俺の視線を追う。
すると向こうでもこれ以上はもう隠れていても意味がないと理解したのか、やがて姿を現す。
「よく、見破ったな」
そう言いながら姿を現したのは、何故か軍港内であるにも関わらず笠を頭に被っている男。
傘ではなく、笠。時代劇とかで頭に直接被り、顎の下で紐を使って結んでいる奴だ。編み笠とでも言うべき笠。
腰には刀が入っているだろう鞘といい、本当に木連って日系の人間が多いよな。
笠は……簡易な覆面代わりでもあるのか? まぁ、何にしろ……
「見破る? あそこまで気配を露わにしておいてか?」
「……何?」
その男は俺の言葉を理解出来なかったのか、一瞬だけ動きが止まる。
今は動揺している高杉達を落ち着かせる意味も含めて時間を稼ぐ事が必要、か。
そう判断すると、敢えて目の前の男との会話に乗る。
「この世界の住人にしては、気配を消すのが上手いと言えるかもしれないな。けど所詮それはこの世界の人間の中では、だ。シャドウミラーから見れば、それこそ新人でももう少し上手く気配を消すぞ?」
「貴様」
侮辱されたと感じたのか、笠の男の俺を見る目が鋭くなる。
だが、その言葉は決して間違っている訳ではない。
シャドウミラーの新人……エルフの者達でも、笠の男よりも上手く気配を殺すだろう。
いやまぁ、門世界というファンタジー世界で生きていたエルフ達と一緒にするのは色々と不味いんだろうが、それでも事実は事実だ。
笠の男の様子を確認しながら視線を一瞬だけ高杉達の方へと向けると、先程に比べて多少は落ち着いたように見える。
問題はこれからどうするか、か。
正直なところ、笠の男はこのナデシコ世界
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