機動戦艦ナデシコ
1368話
[3/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
「木連内部で騒動らしい。取りあえず俺はイザークと一緒にシロガネに戻る」
『こちらから迎えは?』
「いると思うか?」
『念の為だ。……分かった。こっちは一応シロガネの守りを固めておく』
ナタルとの通信を切り、高杉に案内されて部屋を出る。
遠くからは銃声が聞こえてくるのを考えると、秋山が早速敵の目を引き付ける為に頑張っているのだろう。
そのおかげで、こうして俺達も特に敵に見つからないままにシロガネへと向かえる訳で……
「いや、思ったよりも今回の騒動を起こした奴等の数が少ないのか?」
考えてみれば当然だが、元々木連というのは人数がそれ程多くはない。
いや、移動型コロニーのような艦を持っているのだから、100人、1000人といった人数より遙かに多いのは確かだろう。
だが、木連の人間全てが軍人では、到底この木連という組織はやっていけない。
そう考えると、軍人の割合そのものは多くても、全体に8割、9割といった者達が軍人という訳ではない……と思う。
断言出来ないのは、やはり木連という組織の人間の多くがヤマダモドキだからだろう。
ヤマダモドキのような性格の奴等に、大人しく社会の一員として軍人以外の道を……それこそ事務職や営業のような真似をやれと言われて、はいそうですかと言えるだろうか。
とてもではないが無理な気がする。
技術者辺りなら可能性もあるが……
「そうでしょうね。我々木連にこのような反逆行為を行う者が多数いるとは、とてもではないが思えません」
俺の言葉の何かを誤解したのか、高杉がそんな事を呟く。
いや、それをわざわざ誤解だとは言わないけどな。
向こうが勝手にこっちにいいように誤解……理解してくれるのであれば、こちらとしては寧ろ助かるし。
「そうか」
故に、それだけを答えて高杉と共にシロガネへと向かって通路を進む。
秋山が暴れている場所からは、それなりに離れたのだろう。銃声や爆発の音が大分小さくなってきていた。
……にしても、爆発か。ここは地球じゃなくて、小惑星をくり抜いて作った軍港なんだがな。
もしこの中で起きた爆発により、小惑星の外側の部分が壊れたりしたら、それこそ中にいる者の殆どは全滅しそうなんだが。
その辺、この騒ぎを起こした奴はどう考えているのやら。
そんな風に思いながら通路を進み……
「待て」
ふと、通路の途中で俺の口から言葉が漏れる。
その言葉を聞いた高杉やそれ以外の木連のメンバーも不思議そうな表情を俺の方へと向けているが、イザークだけは疑う様子もなくその足を止め、周囲を警戒する。
この辺は、俺の能力に対してどれだけ知っているのかどうかの差だろうな。
周囲を警戒しているイザークも少し遅れて潜んでいる気配
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ