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FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
ワガママ
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が悪魔の顔を蹴りあげる。ノーランはそれでよろけ倒れそうになるが、ギリギリのところで耐えると、少年の頭を鷲掴みにした。

「ふざけるな・・・ふざけるな!!仲間を想う気持ちなんかで勝てるはずがないんだ!!そんなものがあるなら、俺はとっくに今まで殺した奴等に呪い殺されてる!!それなのにお前は・・・」
「それは違うよ、ノーラン」

敗北が目の前まで迫ってきていることを悟ったノーランは、苛立ちを込めた口調で捲し立てる。しかし、シリルはそれに動じることなく、自身の頭を掴む腕を掴むと、力尽くでそれを引き離した。

「俺もウェンディやみんなを守りたい、その気持ちが俺たちを強くしているんだと思ってた。でも、そうじゃなかったんだ」
「は!?」

腕を捕まれ身動きが取れないノーランは、少年が何を言っているのかわからず間抜けな声を出す。

「俺はウェンディとシャルルと、セシリーやギルドのみんなとずっと一緒にいたい!!みんな俺たちのワガママだったんだ!!誰も失いたくない・・・笑顔で明日を迎えたい・・・誰よりも仲間と生きていたい!!全部俺たちのワガママだ!!」

掴んでいた腕から手を離した水竜。彼は目の前で唖然としている男に正体し、魔法の構えに入っていた。

「お前はワガママな奴が勝つといった。だったら妖精の尻尾(俺たち)は誰よりも勝てるギルドだ!!みんながワガママで、真っ直ぐな人たちだから!!
お前みたいな奴が、俺たちの道を遮れるわけがねぇんだ!!」

強い想いを口にした少年は、青き水と白銀の風を口の中へと集めていき、悪魔の男を一直線に見据える。

「竜魔の咆哮!!」
「うわあああああああ!!」

大気を切り裂くほどの勢いで放たれた水の竜であり、天空の悪魔である少年の一撃。それを受けた悪魔は、悲鳴を上げて宙に舞い、地面へと叩き付けられた。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

呼吸を乱し、肩で大きく呼吸をしているシリル。彼は深呼吸をすると、血まみれになっているノーランを見下ろし、口を開いた。

「俺はみんなを守れるんだったら、誰よりもワガママになってやる」

強い光を宿した目をした少年の決意の一言。その姿に、見ているものたちは思わず笑みを浮かべたのであった。













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