ワガママ
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「僕も手伝うよ〜!!」
「サンキュー。助かるぜ」
目が見えていない俺を援護してくれるというセシリー。彼女の好意をありがたく受け取り、ノーランに向かおうとした。その時、
「ラクサスさんの治療、終わりました」
水色の魔力をラクサスの体に押し当てていたシリルが、落ち着きを取り戻した声でそう言った。
「マジか!?」
「早〜!!」
予想の何倍も早い時間でラクサスの治療を終わらせたシリルに、俺もセシリーも、戦おうとしていたノーランも驚愕している。
「確かに治ってるみたいだな」
「シリルすごいよ〜!!」
「へへっ」
傷ついたはずの部位を触ってみると、貫通していたはずのその部位は確かに塞がっていた。セシリーはラクサスを治したシリルに嬉しそうに飛び付き、飛び付かれた少年も照れたようにハニカんでいる。
(でもなんでこんなに早く治せたんだ?今までのシリルじゃこれほどの力は・・・)
友の回復を喜ぶよりも先に、そんな疑問が頭に浮かんでいる俺は、意外と現金な奴なのかもしれない。でも、その疑問は、今までの戦いなどの流れからおおよそではあるが、予想することができた。
(天空の滅悪魔法か)
シリルの腕に刻まれた黒い模様。それは、さっきまでは彼の魔法を邪魔していたのだが、暴走状態の時は滅竜魔法と合わさり、強力な力を放っていたと思われる。
未完成だったものがウェンディたちのことを聞き、怒りで己の物にできたとしたら、治癒の力が上がっているのもうなずけるか。
「なるほど・・・自分の力で物にしたと言うわけか。
だが!!模様が消えたお前には、もう俺を止めることはできねぇだろ」
模様が元通りになってしまったシリル。さっきまでノーランを圧倒していたのは、その模様が体を蝕んでいたのもある。だけど・・・
「シリル、よく聞け」
「カミューニさん?」
シリルの頭に手を乗せると、俺は彼の耳元でそっと呟くように話しかける。
「今、俺もラクサスも戦える状態じゃない。ノーランを止められるのは、お前だけだ」
目が見えないとはっきり言ってあいつを倒すことはできそうにない。その節を伝えると、シリルは顔をうつ向ける。
「でも俺・・・またさっきみたいに・・・」
どうやら暴走していた時の記憶がわずかながらにでも残っているらしく、またああなってしまうのではないかと心配しているシリル。なら、その不安を取り除けるような声をかけるか。
「お前がさっき暴走したのは、ウェンディたちが死んだと勘違いしたからだ」
「か・・・勘違い?」
こちらを覗き込むように顔をあげたシリルに、小さくうなずく。
「安心しろ、ウェンディは生きてる」
「!?」
俺の言葉を聞いたシリルは、ビッ
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