2巻
決戦日の昼と夜
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
えるからな」
「生憎と精霊使いは胡桃だけではなく、この俺もエレメンツ使いでもあるからな。風の精霊で探査し、悪霊や低級のはぐれ悪魔は神炎で倒すだけだ。地脈が乱れてしまえば、将来的に大規模自然災害が起きてしまうようだから周囲に何もない場所よりも遮蔽物があると結界に直接ダメージが当たらない。下手に結界が壊れるとどうなるかはお前らの心配となるが、ここなら心配もいらんし展開する結界も空間をずらした事で状況を複製タイプだ」
「私なら大規模な結界であっても簡単に張れますし、駅前でこれだけのビルがあると壊れるのは結界内の複製体としての建造物。結界内に入れるのは一般人を除いた我らだけであり、結界が壊れるリスク回避も既に完了なので万理亜さんの心配するような事はありませんよ」
上から斯波、俺、深雪、刀花、俺、ラードゥンとなっている。戦闘を行うなら人の眼が少なくなる深夜にするべきだと万理亜が思う事もあるが、ここ周辺一帯は建造物が複雑で結界は本来だと高志と澪の共同で張る予定だった。二人の意識だけだと全てをコピーする事は不可能で、この辺りに居る人間達の意識を結界内の空間構築に反映する事で監視カメラの役割だと思えばいい。
「ラードゥン、俺達がよく使う結界を広範囲に張る事は可能か?」
「うん?どう言う事だい、まるでこれから行う事を知っていそうだけど」
「はい。そちらがやろうとしている事は筒抜けでございますが、ここら周辺の人間の眼を借りる事で私達が見えない場所も彼らには見えてしまいます。そうする事で明確なイメージを利用して作った結界は強固ですけど、空間再現が大変な結界は構築に集中する事で互いは余計な仕掛けはしないでしょう。貴方達がやる結界が壊れてしまうと戦闘を一時中断しなければならないし、もし貴方達が劣勢になると結界を壊して手が出しにくくなって周囲の人間を危険に晒す事は勇者にとってはハイリスクとなってしまいます」
「なるほどね、確かにこの世界に対して使命や責任を持っている僕達にとって人も動物も街も自然も僕らなら犠牲には出来ないからか。そちらが元勇者でもなく魔族でも無いんじゃ君達は何者?と疑問だけどそれについては決闘後で教えてもらおうかな、結界についてもそちらが張るようなもので構わないよ」
俺は斯波の後方にいる柚希を見るが、こちらと眼を合わせようとしないまま瞳を伏せて哀しげな表情でこちらを見ている。今は敵同士とはいえ気遣う術はなくとも、決闘後に分かる事だと思った。結界についてはこちら持ちと言う事で、ラードゥンによる転移魔法で一瞬の内に結界へ入った。一見建造物も結界外と一緒だが、異空間に作られた戦闘用世界で破壊したとしても使い捨ての空間となっている。
「へぇー僕らとそちら側を一瞬にして結界内に移動したかに思えば僕らがやろうとする方法と全く別物
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ