第6章
体育館裏のホーリー
第108話 体育祭の練習、開始!
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え方の違いで、他の生徒に悪いがそこまで練習する必要が無いからな。
「アーシア?」
ふと、アーシアが表情を陰らせている事に気付いたイッセーがアーシアに話し掛ける。
「どうした?」
「いえ……」
「ディオドラの事か?」
俺がそう訊くと、アーシアは静かに頷いた。
「……私、あの時、彼を救った事、後悔してません」
それを聞いたイッセーは少しの間思い詰めた様な表情をしながら考えた後、アーシアに訊く。
「……なあ、アーシア。もし、元の生活に戻れるとしたらどうする?」
アーシアはそれを聞いて驚き、目を見開く。
イッセーはおそらく、誰よりもアーシアの幸せを願っている。今の質問もそれを意識しての事だろう。
だが、それと同時に、アーシアの事を誰よりも手放したくないと思っているところもある。現に、今の質問に辛そうな表情を見せていた。
もし、アーシアが戻りたいと言ってしまえば、アーシアの幸せを願うイッセーは必死になって奔走するだろう。アーシアを失うと言う辛さを押し込めながら。
そんな覚悟を持った質問だったのだろうが、アーシアの答えは…。
「戻りません。私はここが好きです。この駒王学園も、オカルト研究部の皆さん、イッセーさんのお父様、お母様、そして、イッセーさんも大好きです。私にとって全部大切な宝物です。私は今、凄く幸せなんです」
アーシアははっきりと、今の生活が満足だと、幸せだと言った。
「野暮な事を訊いたな?」
「ああ。俺はバカだぜ。そうさ。俺とアーシアはずっと一緒だ!」
「はい!」
イッセーの言葉にアーシアは笑みを浮かべる。
「アーシア、ディオドラの事はもう気にするな。嫌なら嫌とはっきりフッてやれ。じゃないと、ああ言う手合いは付け上がるからな」
「はい、分かりました」
今のやり取りで吹っ切れたのか、俺の言葉にアーシアは深く頷く。
すると、ゼノヴィアが思い詰めた様な表情でアーシアに言う。
「……アーシア、改めてだけど、もう一度謝りたい。初めて会った時、私は君に暴言を吐いてしまった。でも、君は私と仲良くしてくれて……私の事をと、と、友達だと……」
「はい。私とゼノヴィアさんはお友達です」
アーシアは屈託の無い笑顔でゼノヴィアの手を取り、そう言う。
「ありがとう!?ありがとう、アーシア!」
アーシアの言葉にゼノヴィアは涙を流しながら何度も礼を言う。
「良い話だなぁ」
「ええ、そうねぇ……」
ユウの隣にいつの間にか涙しているイリナがいた。
その様子から、さっきのやり取りの一部始終を見てたみたいだな。
「イリナ、お前も来てたのか?」
「ええ、ゼノヴィアに「早朝の駒王学園も良いものだぞぉ」と誘われてね。で、
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