暁 〜小説投稿サイト〜
俺達は何を求めて迷宮へ赴くのか
49.邪竜葬礼の誓い
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
クズとバカの方が勝算高いぞ!」
「天才的な計算だ、目頭が熱くなる。この世はつまり、クズとバカが未来を切り開いている訳だ。感動的すぎて道徳の本をチリ紙代わりに鼻をかみたくなるな」
「黒竜殺して地上に戻れたら存分にすればいいんじゃね?あの館に道徳の本があるかどうかが甚だ疑問だけどな」

 何とはなしに――俺達はいつもの調子に戻っていた。
 黒竜の覇気にあてられて、少しばかり気分が沈んでいたらしい。しかし、もう大丈夫だ。

「まぁ何はともあれ戦いだ。俺も他の2人も全力で手伝うんだから、お前黒竜を打ち損じたりすんなよ?ミスったらアレだぞ。生きて連れて帰ってフレイヤの部屋に投げ入れたるぞ」
「それはいい。あの高慢ちきの女神(くそおんな)を殺害するいい機会だ。突入角を間違えるなよ、一撃で仕留めきれない」
「それは生きて帰ると解釈していいのか?」
「――ああ。よく考えてみたんだが、俺には黒竜に負けてもいいが、勝ってもいいわけだからな」
「それ聞いて安心した。今日は勝ち戦だ。何があろうが勝ち戦。帰って豊穣の女主人で一杯ひっかけよう」

 向かうは不倶戴天の最悪災厄、生き損なった魔物の分際で人間に牙を剥く世界最大の蛋白質の塊。しかしてそれは悪魔的であり、絶対的であり、あらゆる部分にして人間を超越した神に迫る世界の猛毒。

 しかしお気の毒――そっちは猛毒一種類、こっちは『狂闘士』と『告死天使』で混合猛毒だ。

 かつてないほどイカれた騒霊による、邪竜葬礼(ドラゴンスレイ)の宴の幕を開けよう。
 
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ