49.邪竜葬礼の誓い
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まりそれ自体が答えだよな?」
「……それもそうか。要するに俺達は同レベルのクズな訳だ」
「今更だろ?」
アズラーイル・チェンバレットはいついかなる時も死に向かって存在している。そこに至る過程を享楽的に甘受し、へらへらと、無責任に、自分勝手に死へと突き進む。この世の全てを面白半分に受け止め、時折生きているふりをしながら、終わるまでの時間をずっと世界の片隅で待っている。
オーネスト・ライアーはいついかなる時も嘘で塗り固まっている。嘘に嘘を固め、嘘のルールで現実を縛り、嘘で覆い尽くしたとのたまいながらも嘘の隙間から真実を漏らす。どこまで行っても完璧になれない半端者として意地汚く世界の淵に這いつくばっている。
とてもではないがまっとうではない、救えないクズだ。
そんなクズなのに、ふと後ろを振り返ればそんなクズどもの中に光を見た人々が着いてきている。俺もオーネストも、それには薄々勘付いていた。こんな碌でもない人でなしを、しかし人々はどうしてか放置はしてくれなかった。
いいのかお前ら。この先に道なんてないぞ、奈落だぞ。着いて来ればお前らは間抜けにも順番に死の滝壺へ真っ逆さまだぞ。まっとうに生きたいなら、クズの先導になんて着いてこない方がいい。
「この先は地獄逝きだぜ。着いてきて後悔しない?」
「欠片でも死にたくないと思ってるなら引き返すんだな」
「馬鹿言わないで。アキくんをここで送り出すだけの女になれば、わたしは死んでも死に切れなくなる。本当の本当に下らない、家畜のような存在になり果てる。もう本当にアキ君に手が届かなくなるぐらいなら、黒竜は私が殺すわ」
凛とした、どこまでも透き通る美しい声。リージュ・ディアマンテという少女の瞳からは、0,001%の不純物も見つからない極めて純真な殺意がゆらめいている。彼女とオーネストの関係など知りはしないが、おそらくこれは神が最も好む人の本質的な強さを体現してる。
彼女は、覚悟を出来る人間だ。死なせるべきではない。
そして、ユグーは。
「ここまで来て、退却?寝呆ケタ世迷言ヲ抜かすな。極上ノ快楽を手にせぬまま黄泉路ニ滑落スルなど、それこそ滑稽だ」
「お前は別に死んでもいいか……」
「おいアズ。今更分かりきったことをわざわざ口に出すな。非効率的だ」
(うわぁ、二人して本人を前に言い切りおった……)
(でもユグーさん聞いてないっぽいよ。そんなに戦い好きなの?)
(多分オーネスト達以上のクズなんちゃうかなー)
ひそひそと喋る非戦闘員認定組3名をよそに、オーネストとアズは戦いの覚悟を決める。
「結局、ここにはクズとバカしかいない訳だ」
「おいオーネスト、クズとバカを舐めるなよ。バカは賢者100人分の働きをするし、クズは他の物を腐らせるだろ?つまり
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