49.邪竜葬礼の誓い
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度築いておかなければ困る。
「オラリオの外にいる君には分からないかもしれないが、この牙は本気で危険なんだ。君がとちくるって壊そうとしたってこいつは壊れやしないから触っても構わないが、持ち逃げされるのは絶対に御免だよ」
「しねーし。そんな三下みてーなみっともない真似しなくても食っていけっからね。大体そんなに危険危険言うなら処分したらいいんじゃねーの?金になるから手放せませんか〜?」
「それこそ馬鹿な。私はオーネストと親方に頼まれたからこれを持っているだけだ。………まぁ、もしこれを加工して剣でも作ろうものなら、それはそれは危険な剣が出来上がるだろうという興味はあるけど」
ロイマンは直感的に、この牙はいつかオーネストの武器になるのではないかと思った。シユウがこんな危険な代物をわざわざ彼と関わりのあるフーに持たせているのだから、そういう意味なのだろう。
ともかく、この日からたった3人で結成された「黒竜調査チーム」は活動を開始した。
ミリオンは大量のMP回復ポーションを抱えて鏡だらけの部屋に籠り、フーは定期的に牙の管理状況を確認しに訪れ、ロイマンはそんなフーについでとばかりにミリオンの身の回りの世話をそれとなく押し付けながら彼女の報告を読む。表面上は何の変化もない極めて少人数で、しかし加速度的に、黒竜の調査は進んでいった。
「だーっ!もう我慢ならん!ビリオンさん貴方は一刻も早く風呂に入って着替えなさい!一体いつになったら風呂に入るつもりなんです!?率直に言いますが、臭い!!こんな不潔なエルフは生まれてこの方初めて見る!!」
「うわっ、馬鹿、やめろ!お前エルフの服ひっぺがそうなんてどんな神経してるんだ!?へ、変態!ばか!うわぁ〜〜〜!?」
「……………え、なんで男なのにブラしてるんですか?」
「お・ん・な・だからだよぉぉぉぉぉーーーーーーーーッ!このガキャ絶対にブッ殺したらぁぁぁぁぁーーーーーッ!!」
「わわわ悪かった!私が悪かったから暴れないでください!鏡が!鏡が割れ――!!」
………そして、ロイマンの予想を遙かに超えて部屋の鏡の枚数は加速度的に減少していった。
――それから1週間程度が経過し、黒竜調査がある程度進んだ頃、ロイマンに火急の要件が入った。
ギルド最古にして最難関のクエストの一つ、黒竜の討伐に挑む……オーネスト達の姿。
過去三度にわたり不覚を取った相手を仕留めるために、彼はアズライールと共にそれに向かっていた。
(――これは、いけない)
ロイマン・マルディールは考える。
彼らはまだ、調査結果を知らない。このままでは、全員が還らぬ人になるかもしれない。
ならば、ロイマンがすべきことは。ギルド最高責任者としてではなく、一人の太ったエルフとして、「オーネ
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