同い年
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キィン、と心地よい金属音が響く。
「っはは!ほらもっと来なよ副隊長サマぁ?」
快活な笑い声と、それに反してねっとりとした口調。刃を構え直す僕を見て、彼女の妖艶な赤い唇が吊り上がる。
瞬間、赤の一線が僕の視界を横切った。
「あー……。」「だめかー……。」
「……どこ見てんだよお前ら。」
模擬戦闘が終わり休んでいたところに、あの騒がしい双子が駆け寄ってきた。僕の額を確認すると、ため息と落胆するような声が聞こえた。
「まだまだ未熟だねぇストラト。あたしに副隊長の座をぶんどられてもいいのかい?」
「奪う気はないんだろ、元隊長様。」
「まァね。かわいいかわいい子達が奮闘する姿を見てるのが楽しいからね!」
「かわいいってー!」「やったねー!」
「ちっとも嬉しくねぇよ!揶揄いやがってこの……。」
にたにたと貼りつくような笑顔を浮かべる女性――エイネリスは、義勇団に所属している者としては珍しく軍学校に通っていた。普通はそのままエレベーター式で正規軍入隊なのだが、何がどうなったのか義勇団の方に来てしまったらしい。名目上は「戦力状況のための配属」らしいが、そんな配慮を上層部が義勇団にするわけがない。
だが、元々正規軍に配属されるべく教育を受けてきただけはある。彼女の実力は、おそらく第二中隊トップだ。
「いーじゃん訓練相手になったげてるんだからさぁ。ちょーっとくらいおねーさんと」
「悪いちょっとティーに用が」
「ほんっとつれないねぇ……。いいよ、その間あたしはアルマを食すから。」
「ほぇー!?」「にげろー!!」
双子の悲鳴を聞きつつ、その場から僕は逃げ去り別のコテージへ向かった。
「……ふむ。」
「ほーう……。」
「せめて単語を発しろよ、悪いな負け続きで!」
目的のコテージにはティレイア、通称ティー以外に隊長のへイルスがいた。額の絆創膏を薄く笑って見つめる二人に、僕は思わず毒を吐く。
「誰も何も言っていません。ただ、まだ読まれるような腕なのだなと。」
「正々堂々戦うのはいいんだけどなぁ……分かりやすいんだよなお前の目線……。」
「……直接前線に赴かないお前らには言われたくない。」
反射的に反発したが、自分の癖は自分が一番分かっている。
昔からそう。どうも、見切られやすい。確実に仕留めたいと思ってしまう故。
「ティーはまあ、とんでもない観察眼だからネリスの攻撃もアルマとラーマの連携攻撃も躱せるけどよ。俺でもわかるぜ、お前の剣筋は。」
「……そうでもなきゃ隊長になんてなってねーだろ。」
「あんまり褒めるなよ、照れるぜ。」
「褒めてねーよばか!!!」
「罵倒のレベルも上がっていないようで。」
「う……。」
返す言葉も見つからない。僕はただティ
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