第19話
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
〜アルモリカ古道〜
「……すみません。わざわざ送っていただいて。」
ハロルドの車の助手席に座っているロイドはハロルドの軽く頭を下げた。
「はは、いいんですよ。ついでに送るだけですし。」
一方ハロルドは笑顔で答え
「しかし自分の車を持ってるって相当スゴイよなぁ。まだまだバカ高いんだろ?」
ランディは感心した後ティオに尋ね
「このクラスの自家用車ならたしか80万ミラくらいかと。」
「80万ミラ………そりゃ凄いな。」
尋ねられて答えたティオの話を聞いたロイドは驚いた。
「一応、貿易商としての仕事の道具でもありますから。バスを使ってもいいんですけどどうしても時間の融通が利かないことが多くて………去年、思い切って購入してしまいました。」
「ふふ、それ以外にも理由がありそうですね?待っている奥様と息子さんに一刻でも早く会いたいとか。」
ハロルドの話を聞いたエリィは微笑みながらハロルドに言い
「はは………参ったな。」
エリィの言葉を聞いたハロルドは驚いた後苦笑した。
「なるほど、お土産もマメに用意してるみたいだし。」
「………所謂マイホームパパというわけですね。」
「いやあ…………とんでもない。どうしても出張が多くて妻と息子には寂しい想いをさせてしまうことが多くて………」
「息子さんはお幾つなんですか?」
「今年で5歳になります。まだ日曜学校に入る前ですけどもう好奇心旺盛で………色んなものに興味を示しては妻の手を焼かせていますよ。」
「へえ………」
「ふふ、お幸せそうですね。」
ハロルドの話を聞いたロイドは口元に笑みを浮かべ、エリィは微笑ましそうにハロルドを見つめていた。
「はは………それはもう。それに私は――――私達は幸せでなくてはなりませんから。」
そしてハロルドは苦笑して答えた後、寂しげな表情になった。
「え………?」
ハロルドの言葉を聞いたロイドは仲間達と共に首を傾げた。
「あ、いや………すみません、こちらの事です。おっと、古道を抜けますね。右に曲がりますから皆さん、どうかお気をつけて。」
その後ハロルドが運転する車は分岐点でクロスベル方面へと曲がって、進んで行った。すると
「……………………」
白と青の毛並みの一匹の狼が草村から現れ、去って行く車を見つめた後、どこかに去って行った。
〜中央広場〜
「―――ありがとうございます。こんな所まで送っていただいて。」
ハロルドの車によって中央広場まで送ってもらったロイドはハロルドにお礼を言った。
「はは、いいんですよ。それこそついでですしね。皆さん、どうか捜査の方、頑張ってください。応援
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ