第18話
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説明した。
「ふむ………クロスベル警察の方じゃったか。間違えて済まんかったのう。なにせこの村に、街の警察が来ることなど滅多になくてな。あのアリオス殿を始め、遊撃士なら何度も来てるんじゃが。」
「そ、そうですか……」
「あのオッサン………売れっ子のくせにマメだよな。」
トルタの話を聞いたロイドとランディは疲れた表情で溜息を吐いた。
「それで、トルタ村長………私達が捜査に来た経緯は先程話した通りです。」
「お手数ですが、もう一度、被害状況などを聞かせていただけませんか?」
「ふむ、そうじゃな。―――あれは3週間前、ちょうど新月の晩のことじゃ。この村に魔獣の群れが忍び込み、農作物などを荒らしていったんじゃ。どの家も、家畜や果物、小麦などが荒らされてしまった。」
「確か………目撃者はいなかったんですよね?」
トルタの説明を聞いたロイドは真剣な表情で確認した。
「うむ、クロスベル市とは違ってこの村の夜は早いからのう。朝早くの農作業もあるし、ほとんどの村人は夢の中じゃった。そして朝起きてみれば魔獣共の足跡と一緒に被害が明らかになったんじゃ。」
「なるほど………」
「それで狼型の魔獣だと判明したわけですね………?」
話を聞いていたロイドは頷き、ティオは確認した。
「うむ………残された足跡の形状がイヌ科のものじゃったからな。丁度、その日に警備隊の巡回パトロールが訪れてのう。念のため、周辺地域を捜索してくれたんじゃが………」
「狼型魔獣の痕跡は影も形もなかった………なるほど、警備隊の調書通りですね。」
「うむ、その通りじゃ。それから3週間………再び被害が起きることはなく、今日までに至っておる。正直、2度は起こらんと高を括っていたのじゃが………ううむ、まさか他の場所で被害が起きていたとはのう。」
エリィの話を聞いたトルタは頷いた後、難しそうな表情で考え込んだ。
「はい………」
「しかし………魔獣に襲われたにしちゃあ、村は平穏そのものって感じだよな。被害額も結構なモンだったんじゃ?」
「いや、それがそれ程でもなかったんじゃ。どの家も少しずつ、何らかの被害を受けただけでの。」
「………そうなんですか?」
トルタの話を聞いたロイドは仲間達と共に首を傾げた後、尋ねた。
「うむ、被害の総額にして10万ミラといったところか。まあそれでも、被害は被害じゃからの。さすがに気落ちしておったが丁度、良い取引が出来てなぁ。皆、受けた被害をだいたい帳消しにできたんじゃ。」
「良い取引………」
「もしかして……先程のお客さんですか?」
「うむ、彼はここ数年、ワシらと懇意にしてくれているクロスベル市の貿易商でな。被害の話を聞いて、取引額を少し
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