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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、外史に降り立つの事
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広がる町の、人気の少ないところに飛び降り、街の中に入った。
ルークから見て、街の様式は変わっていた。あんな街はハルケギニアでは全く見かけない。ルークは地球を知らないから、それをどういった形で説明するべきかも分からないが、知っている者から見れば中華風の様式以外に捉えようがなかった。
噂に聞く地球という世界にしても、妙だ。どこか…いやな言い方になるが旧世代的な傾向に見受けられる。だが、トリスタニアにはない雰囲気がとても心地いい。ルークにも好奇心が強く出る部分があるため、初めて見る街の景色には目を奪われた。
「こんな街があるなんてな…っと、そうだ。飯飯…」
とりあえずまずは飯屋を探しに…
「って…そうだ!金!持ってないじゃねぇか!」
と、ここでルークはあることを思い出す。そう、この世界が自分の故郷とは異なる世界。当然通貨が共通であるはずがない。自分の財布の中に詰まっているのは無駄遣いを避けるようにとケチなメイドのせいで限られた分の金だけ。だがそんな金で買えるものもこの世界にはなかったのだ。
「ぐぅ…ちくしょう〜どうすんだよ、俺…」
ぐぅぅ〜、と鳴り続ける腹の虫を押さえながらルークはその場で立ちすくむ。ダメだ、食い飽きてきた屋敷の料理が恋しくなってきた。誰か飯を恵んで…ってそれこそだめだ!そんな物乞いみたいな真似をしたらお袋や伯母上からどんな大目玉をくらうことか…。
ふと、制服の上着のポケットにごそっ…と何かが入っているのに気づく。もしかして、食い置きしていた菓子を入れたままにしていたのだろうか。もちろんこの程度で腹を満たせるとは思っていないが、ルークはそれを取り出してみる。
が、それは菓子などではなく、………地球産のタバコだった。
「んだよ…」
期待して損した気分だ。
ちなみにルークはまだ未成年。当然タバコなど吸ってはいけない年齢だ。だが叔母たちの耳障りな説教を聞いてイライラした時とかは、隙を見て吸うようになっていた。…よい子は真似しないように。とりあえずタバコに火をつけて吸ってみて、腹減りを…が、味だけを楽しむタバコに腹を満たすような効果があるわけもない。やはり腹が張っているのを感じたままだ。
「やっぱタバコなんかじゃ気はまぎれないか…」

♪〜

ふと、ルークの耳に歌声が聞こえてきた。誰かがストリートライブでもしているのだろうか。といっても、バックミュージックもなく、歌の歌詞のみが聞こえてくる。いったいだれが歌っているのだろうか。視線を泳がせてみると…。
そこには、長いピンクのストレートヘアを黄色いリボンで結った少女がいた。スタイルもよく、顔立ちもまさに美少女といっても過言ではない容姿だった。その口から発せられる歌声は、歌い手もそうだがとても綺麗だった。
彼女の美貌と美しい歌に惹かれ、既に何人もの人たちが集まっていた。

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