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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、外史に降り立つの事
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ケ…桂花が男嫌いな性格のあまり一刀がしゃべるたびに「この全身○○男!」と酷いことをいうわ、「犯される〜!」と喚いたりなど被害妄想が激しいのだが、まさか彼女の悪い部分が感染りつつあるのか?以前、魏が絡んだ会談で彼女は一刀の顔を見るや否や、いきなり女尊男卑的な暴言を飛ばし、当然華琳たちから注意を受けたが…。
いや、やめよう。それこそ自分が桂花の悪い部分が感染ったことになる。
「私も行ったらダメ…だよね?せっかく平和になったんだもの。自分の目で、平和になったこの国を見てみたいの」
桃香が自分も行きたいと頼んできたが、一刀はそれを聞いて一瞬笑みを見せかけたが、すぐにうーん、と微妙な顔を浮かべた。
「それはさすがにまずいだろ。成都の中ならまだしも、二人そろって成都の外に出るのは、愛紗たちだってきっと許さないよ。どんな危険があるかわからないんだから…」
「そうだよね…ごめんね」
一刀の言い分が最もであることがわからないほど、桃香は馬鹿でも愚かでもない。自分たちは蜀の主だ。しかも一刀は天の御使いとしてこの世界に留まっている。うかつに出歩ける立場ではない。だが、目の前にいる愛しい男と二人きりで出かけたいと思うのは当然のことだ。
「いや、いいんだ。思えば、俺たち二人で出かけることって少なくなってるもんな」
皆が幸せであり続けられる日常こそ大切なものと認識している桃香の気持ちを、一刀は理解している。
「そろそろいくよ。俺が直々に行きたいって頼んだのに、あまり待たせるとみんなに悪いし」
「うん…」
桃香は寂しそうに声を漏らしながらも、一刀に向けて笑顔を再び浮かべた。
「気を付けてね、ご主人様」
「ああ、行ってきます」
一刀もまた桃香に笑顔を見せ、彼女の部屋を後にした。



その一時の別れが、平和になったはずの二人の日常に…世界に…

暗黒の闇が降りかかるとは、誰も予想しなかった…



「ふう…」
ルークはなんとか追っ手から逃げ切ることができた。いくら相手が訓練された兵だとしても、ルークの常人を超えた身体能力には敵わなかったらしく、街を囲む城壁の曲がり角を曲がったところでルークを見失った。彼を見失った兵たちが「いたか!?」「どこに消えた!」と騒ぎ立てている。
最初からこうすればよかったな…と、ルークは思った。今の彼は、ちょうど城壁の曲がり角から5m以上もの城壁の上へジャンプし、下で自分を探し続けている兵士たちを眺めていた。何も正面から町に入ることはなかったのだ。…といっても、ルークは不良ではあるものの、立場上は王家と姻戚関係にある貴族のはしくれであることは自覚しており、そんな賊のような真似は個人的にも避けたかった。
何がともあれ、まずは飯を探さなければならない。
(腹減ってだいぶ時間が過ぎたしな)
とりあえず城壁の内側に
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