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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年の日常、崩れ去るの事
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息を漏らしながら眼鏡をかけなおした。
「やれやれ…知らない間にずいぶんと聞き分けのない子になったようですね」
「はぁ?」
「まぁ、いいでしょう。次元の壁に穴が開かれ、彼らが暴れている今…あなたを取り戻す絶好の機会ですからね」
眼鏡男が改めてルークは見て、指を頭上でぱちんと鳴らす。すると、周囲の建物の中、隙間からぞろぞろと、白い装束に実をまとった怪しげな集団がルークを取り囲んだ。
「な、なんだ…お前ら!?」
「あの男を捕まえろ」
「はっ…」
心というか、魂のこもらない返事をした、白装束の一人。そして、白装束たちは一斉にルークに襲い掛かった。
「んの野郎が!」
真っ先に襲い掛かってきた白装束の一人を、ルークは殴り倒した。だが相手は人間、ちゃんと手加減を忘れずに殴っておいた。殴られた白装束は地面の上でそのまま伸びた。
「んだよ、大したことねぇ…な!?」
小さな勝利に浸るのも、束の間だった。今までルークと喧嘩して倒された連中は、彼の軽い感覚で放ったパンチで簡単に気絶してきた。本気を出せば、人間の体だって粉砕できる。
しかし、今殴り倒したはずのこいつは、ルークから殴られたというのに、ちっともダメージを受けたようなそぶりを見せない。
「馬鹿な!間違いなく落としたはず…」
「あなたがいくらがんばっても、彼らは不死身です。何度倒しても蘇りますよ。あなたを捕まえるまでは…」
「お前が操ってるのか!?」
眼鏡の男は、決してそこらへんにいるような、ただの人間ではない。この男を見てルークは確信した。それにしても、人間を操って戦わせて置きながら自分は高みの見物。この眼鏡野郎の手腕の汚さにルークは怒りを覚えた。
「こいつらだって人間だろ!?何てことしやがる!」
「彼らは使い捨ての駒…いくら死のうが関係ありませんよ。傀儡は使われるために存在しているのです。そしてそれは…あなたにも言えることです」
「…!?」
俺にも言えること?意味が分からない。怒りの代わりに、今度は困惑の念が湧き上がるルーク。この男は一体何をどうしたいのだ。俺を襲って、一体何をする気なんだ。
「これ以上語ることはありません。大人しく、我々の元に戻りなさい」
「!」
眼鏡男が言うと、再び白装束たちがルークをひっとらえようと飛び掛ってきた。ルークは直ちに応戦した。こいつらは、操られているとはいえ自分と同じ人間だ。加減なしで戦うには、どうも気が引けた。だがそれでも、力加減をしながら戦うことになるからあまりにもしんどい。しかも、いくらルークが殴り倒しても蹴ったり投げ飛ばしたりしても、白装束たちは立ち上がって再びルークに戦いを挑んでくる。
(くそ、分が悪い!逃げるしかねぇ!)
あんな眼鏡男を相手に逃げるのは屈辱ではあるが、逃げるのは得意だ。ルークは一度体制を整えるためにも一時離脱
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