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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、荒んだ日常を送るの事
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が、明日とは珍しいケースだった。
「ご用事が済まわれたみたいなので、ご実家でご家族のご様子を見に来る予定だと」
「……」
「お坊ちゃま、お母様がお帰りになるのですから、ちゃんとお出迎えして差し上げてくださいね」
「…めんどくせ」
ルークは露骨に面倒くさそうに頭を掻いてため息を漏らすと、テラがジロッとルークを睨みつけ、弟をしつけるお姉さんのようにぴしゃりといった。
「面倒くさがってはいけません。お母様がご多忙になって以来、ロクにお話も成されていないじゃないですか」
「だからだっての…」
いかに親しい間柄でも、肉親同士であっても、長期に渡って会わない時間が続くと、再会した時に妙に気まずい気持ちになる。ルークも例外ではなかった。だったら会わないように、適当に街に繰り出して時間つぶしと行くべきか。
(明日の学校の帰り…シエスタ叔母さんのところで暇を潰そうかな)
ルークは密かに、悪ガキ臭い企みを抱くのだった。後でこのおせっかい焼きのメイドから説教されるのが目に見えているのだが、それでも嫌なものは嫌だった。
「お父様がお会いになられないのが、残念ですわね」
「……テラ」
ルークの父親の事に触れた途端、ルークがテラに向けて鋭い視線を向けた。
「親父の話はすんじゃねぇ」
「そ、そうでしたわ。もうしわけありません」
機嫌悪そうにルークはテラに言った。暗い闇を抱えながら鋭い視線を向けはしたものの、テラの落ち込んだ表情を見たルークは、しまった言いすぎたと悔いた。なんとか彼女を元気づけようと言葉を試行錯誤する。しかしルークはこういったことが苦手。
「あ、その…えっと…俺はただ、親父の話さえしなければいいってだけで…その…あまり落ち込むなって…」
慰めようとしていたのに全くうまく言えずにいる。テラは、さっきまで禁句を言ってしまって後悔した表情から一点、ルークの照れくさがっている顔を見て、ぷっ!と笑い出してしまった。素直に言いすぎた、ごめんと言えばいいのにそれを言えずにいる彼がおかしく感じたのだ。
「な、何笑ってんだよ!」
「ごめんなさい…だって…ふふ…ふふふ」
「だああああ!!その生温かい目で俺を見て笑うのやめろっての!!胸に穴が開く!!」
赤面して頭をかきむしるルーク。この、まるで幼子を見守るような視線などは照れ屋なルークにとって苦痛でもあった。
こんな空気はいやだ。ルークは無理やり話の話題を切り替えることにした。
「そ、そういえばさ…」
「あら、なんでしょう?」
だからその生暖かい目を向けるのを止めろ!といいたくなったが、それを実際に言うと余計にいじられる予感がしたルークは喉の奥で押し込めた。
「今朝の事なんだけどよ…また、例の夢を見たんだ」
「例の夢…燃える奇妙な街の夢ですか?」
「あぁ…」
火の海となった街と、そこで
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