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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、荒んだ日常を送るの事
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常生活でも家具を謝って壊してしまうとか、下手をすれば人を大怪我させてしまうほどの危険な力。
(…普通の人間だったら、俺もなんてことない、毎日が楽しい日々を過ごせたのかな…)
ルークは天井を仰ぎながら、天井にかざした自分の右手のひらを眺める。母も、叔母も、隠居した祖父母も、誰もが自分のこの力には驚かされていた。子は親から特徴を遺伝するといわれるが、彼らには自分が持つこの人間離れした身体能力はない。となると…自分がこの力を得た発端は一人しか思い浮かばない。
(親父…)
そうとしか思えなかった。父方の血が、この異様な力を与えたのだろうか?それに…父が原因なのでは?と思えてならない理由がもう一つある。
先日夢に見た、燃え盛るどこかの街の景色と、そこを舞台に戦う謎の巨人たち。そして最終的に現れた、黒い巨人たち。
(時々夢に見るあの光景も…親父と何か関係があるのか…?)
顔も名前も聞かされず、自分にとって謎のままの存在として認知されている自分の父親。
一体、どんな男だったのだろうか…。
(…いや、どんな男だったとしても、あいつは…)
そのときのルークは拳を握り、表情と悔しさと怒りを滲ませた。
なぜあいつはこの家にいない?どうして誰もあいつのことを語ろうとしてくれない?
…そうだ、きっと叔母がそういっていたように、そうとしか思えない。
すると、コツコツと扉をノックする音が聞こえてきた。
「お坊ちゃま?よろしいですか?」
「ん?テラか」
入れ、とルークが起き上がって部屋の扉に向けて言う。ガチャ、と扉が開かれ、テラが部屋に入ってきた。
「そろそろお夕飯の準備なので降りてきてくださいませ」
「…」
「坊ちゃま?」
沈黙する主にテラが首を傾げた。どこかからだの具合でも悪いのかと思ったが、ルークが彼女に質問してきた。
「テラ、お前も飽きないよな。俺みたいな奴の面倒を今でも見てくる」
自分でも、ルークは問題が多い奴だという自覚はある。短気で喧嘩っ早く、問題行動を次々と起こしている。年齢を重ねる内に説教もロクに聴きたがらなくなった。そんな奴を何時までも世話する気になれる奴の気が知れない。
「これが私の仕事ですから。それに私、世話を焼くことも好きですから」
「世話好き…ねぇ。それにしたってずいぶんな気がするな」
それを聞いて、ルークは変わった奴だと思う。それに、とテラは新たに付け加えてきた。
「あなたのお母様方とのお約束ですから」
「ふーん…」
「そういえば、お母様が明日にお帰りになられるみたいですよ?」
「お袋が?急だな」
ルークの母は、20年前の戦いで世界を救った英雄の一人として讃えられている。それゆえに各国からその力を頼られ、多忙で家には滅多に帰ってこない。だがいつもなら、戻る予定日よりも1週間ほど間を開けてから戻る。それ
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