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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、荒んだ日常を送るの事
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い。ちょうどよかったわ」
やってきたそのメイドは黒く短い髪の、20代半ばの女性だった。
「その様子だと、またお坊ちゃまが問題を起こされてしまわれたようですね」
「…ええ」
この女性メイド、テラはルークが生まれた時にこのヴァリエール家に雇われた。子供の扱いに慣れているというらしいので、多忙さ故に家を空けることばかりだったルークの母に代わって彼の教育係を勤めてくれている。ルークの叔母『エレオノール』は子供の扱いには完全にド素人。しかも自分でもようやく自覚できた難癖のついた性格故に、ルークからの叔母としての威厳も信頼もあまり高くなかった。
「悪いわね、テラ。あの愚甥のおかげであなたにも苦労をかけてるみたいで」
「愚甥だなんてとんでもありません。あの方はとてもお優しい方ですわ。見た目も性格も、母上様にそっくりですから」
「…そうかもしれないわね」
言われてみて、エレオノールは不思議なほどに納得した。
「でも、同時にお父様似でも「テラ」…は、はい?」
微笑ましげに続けようとしたテラだったが、その瞬間エレオノールから強いプレッシャーを孕んだ言葉が、テラの言葉を遮った。
「あの男の話はしないで頂戴」
「…まだ、許してないのですね」
「あたりまえでしょう…。誰が許せるものですか」
エレオノールは憎々しげに呟く。
(妹をたぶらかしておきながら…妹を捨てた男など…)
「ふぅ…」
部屋に戻ったルークは、学ランを脱ぎ散らかして自分の部屋のベッドに寝転がった。
彼の部屋はやはりトリステイン王室と遠い血縁関係にある名家なだけあってかなり立派だ。高級テレビモニター、シャンデリアやふかふかの羽根布団と枕…。立派過ぎて、庶民の家の方が魅力に思えるくらいだった。
なんか…つまらないな。
学園ではむかつく奴らと喧嘩して確実に勝ってしまい、眠くて詰まんないだけど授業を受け続け、家に帰ってもうるさいだけの叔母とおせっかい焼きのメイドがいる。そんな日常と向き合うだけの、なんの変哲もない日常…。
講義中は寝てばかりだがテストはほとんど高得点だし、家の財産も尽きる気配がないから恵まれすぎていた。
頭だけではない。幼い頃から、彼は異常な身体能力を有していた。
とあるアメコミのヒーローのように、高いビルとビルの間を生身で飛び回り、たとえ3階建ての建物並みの高所から落下しても傷一つ着かなかったほどだった。
それだけに、面白みがないのだ。ただ分かるのは、今の生活は自分が求めているものとはどこか大きく異なっている気がした。自分が求めているもの…それが分からずに、退屈な日々をもどかしく思うばかりの生活を送っている。
子供の頃、ずっと思っていた。どうしてこんな力を持っているんだろう。この力のおかげで喧嘩では負けなしだが、それだけにつまらないし、それどころか日
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