暁 〜小説投稿サイト〜
ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、荒んだ日常を送るの事
[4/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
り巻きの一人に肩をぎゅっと掴まれて身動きができなくなった。
「知ってるかい?このヴェストリの広場の言い伝えを」
綺麗に手入れされた芝生の広がる広場を眺めながら、マックはルークに語り始めた。
「知らないなら聞かせてやろう。この広場は、かつて平民の少年と貴族の子息が女子がらみの揉め事で決闘を行ったらしい。その勝負の決着なんだが、どういうわけか平民が逆転勝利を収めたとか言われているけど…ま、平民どもが適当に捏造したに違いないね。もし本当だとしても、平民に負けるようなヘボなんて貴族の名を名乗るに値しない間抜け…」
「さっきからぐだぐだうっせえんだよ。さっさとかかってきやがれ」
いい加減うんざりしきった様子でルークが手招きしてくる。ついにマックはルークのふてぶてしい態度に、堪忍袋の尾を切った。
(その生意気な姿をゲドゲドの恐怖面に変えてやる!)
杖を取り出し、マックは真っ先に魔法を放ってきた。トライアングルクラスのランクまで実力を挙げたメイジが使用できる、火の魔法フレイムボールが襲い掛かってきた。たちまちルークの姿が炎の中に消える。
「今だ!奴は火から必死こいて逃げ出すに違いない!そこを叩いてしまえ!」
マックの悪辣な命令に従い、取り巻きの生徒たちが炎の中にいるであろうルークに、とどい目をさしてやろうと。自分たちの魔法を放ってきた。

それから決着が付くのに、1分も経たなかった。この多勢に無勢という、決闘の名を騙るリンチの結果は…


ルークの圧勝だった。


「が、がふあ…」
「い、痛い…痛いよママぁ…」
ルークの周りには、ぼこぼこに叩きのめされたいじめっ子たちが転がっていた。対して、ルーク自身には傷といえそうな箇所はほとんどない。本の少し顔や服に汚れが付いた程度だった。
「雑魚」
自分の回りで、痛みでうずくまるマックとその取り巻きたちを、たった一言そう吐き捨てた。
「嘘だろ…たった一人を相手にあのマックが…」
「しかもあいつ、魔法を一発も使ってなかったぞ!素手だけで…」
「魔法もぜんぜん効いてなかった…化け物かよ…!」
野次となっていた生徒たちも、圧勝を飾ったルークの力に戦慄する。しかも話によるとルークは、魔法を使ってきたマックたちと違い、己の拳のみで、魔法の威力を一切受け付けていなかったという。
(馬鹿な奴ら…)
ルークは、自分が魔法を使わずに勝利したことについて野次馬たちの一部が驚いていることに呆れた。詠唱の間の隙を突けば問題はないのだ。一流のメイジはその隙さえも相手に許さないのだが、相手はたかが魔法がちょっと使えるだけの素人学生。喧嘩で勝ち星を飾ってきたルークの敵ではなかった。
「ぼ、僕の父上に言いつけるぞ!僕を殴ったことを!そうしたら…」
「ほぉ…どうなるっていうんだ?言ってみろよ?」
「な…!」
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ