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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年、荒んだ日常を送るの事
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かった。しかしすぐに土下座をしようとすることはなかった。
「なにしてるんだ。早くしろよ」
「が…!」
下衆にも、その貴族生徒は少年の頭を踏みつけ、地面にこすり付けさせたのだ。
「ほらほら」
ぐりぐりと地面に押し付け、靴の裏に付いた土で彼の頭が汚れていく。周りの生徒たちは彼と取り巻きたちが怖いのか近寄ろうとしない。それをいいことにその貴族生徒と
人のことを平民呼ばわりして侮蔑しているが、そこに貴族らしい姿などこれっぽっちもなかったことに、彼らは己の傲慢さゆえに気づきもしなかった。
しかし、それを快く思わないのは誰でも同じだった。それを体現するかのように、一人の少年が貴族生徒たちの前に姿を現した。
「何してやがんだ、あんたら」
自分が呼ばれ、貴族生徒は声の主の方を見る。
「なんだよお前。まさかこの平民を庇いに来たのか?」
「別に…くせぇ臭いがしたから気になってきたってだけだ」
鼻息を飛ばしながら、その貴族生徒に話しかけてきた少年は…ルークだった。短く刈り上げられ先の尖った鳶色の髪をかき上げながら、いじめを働く貴族生徒たちを睨みつけていた。
「くさい臭い?あぁ、この平民のことか?全く愚かな話だよ。この『トリステイン魔法学院』は、本来僕たちのような、始祖ブリミルに選ばれた貴族の血筋のみが通うことが許された神聖なる学び舎…それをこんな貧乏臭くて臭いだけの平民の豚なんかが通うなんて…豚小屋の臭いが充満するじゃないか」
全く詫びれもせずに、自分が踏みつけている平民の少年の生徒を見下しながら、貴族生徒は取り巻きたちと揃ってげらげら笑った。踏みつけられている少年は、体が震えていた。相手に対する恐怖。それ以外にも、その恐怖の対象に対する、怒りをすぐにでも爆発させてやりたい気持ちに駆られていた。
それを見て、ルークは心底軽蔑した眼差しを貴族生徒に向けながら彼に言い返した。
「てめえの目は節穴か?いや、この場合は脳みそがとろけてんのか?って言うべきか」
「…なんだって?」
「頭がパープリンなのか…って聞いてんだよ、この腐れ脳みそ野郎。俺が臭いって言ってんのは、てめえからぷんぷん臭う下衆の臭いのことだ」
明らかに悪辣な悪口を言われ、貴族生徒の下卑た笑みが消える。
「ほ、ほぉ…言うじゃないか。下賎な輩の分際で」
貴族生徒は顔を引きつらせせながら、ルークを見る。見るからにチンピラみたいな態度じゃないか。制服だって前のボタンをしめず、乱れた着方をしている。口調だって不良じみていてみっともない。着込んでいる服はなかなか上等なものを着ていることから、彼も一応貴族の家から出たもののように見える。
「僕はトライアングルクラスのメイジ…マック・ド・フェルナンドなんだぞ?お前みたいな、授業サボっていそうな不良ごときが、僕を侮辱するなんていい度胸だね」
「あ
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