第15話(序章終了)
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そうな表情をしながら頷いた。
「しかし、今回の一件でお前らにも見えてきただろ。このクロスベルって場所のやっかいな側面が。」
「………それは………………」
「まあ、確かにちょいと面倒くさい場所みたいだな。」
「様々な暗部やしがらみ………大人の事情の温床って感じです。」
「………そうね。」
そしてセルゲイに促されたロイドは複雑そうな表情をし、ランディは溜息を吐き、ティオはジト目で呟き、エリィは複雑そうな表情で頷いた。
「警察本部の連中だって決して無能ってわけじゃない。賄賂を受け取っているようなバカ野郎もいるみたいだが………多くの捜査官は、そこそこ優秀で自分なりの正義感を持ってる連中だ。だが………有形無形の”壁”がある。マフィアの利権と繋がっている議員や役人どもとかな。」
「……………………………」
「どうだ、ロイド?警察辞めて遊撃士にでも転職したくなってきたか?」
「……いえ。そんな事情があっての『特務支援課』でしょう?」
「ほう………」
ロイドの答えを聞いたセルゲイは驚いた表情でロイドを見つめた。
「『人を守る』――――遊撃士の理念は確かに素晴らしいけどそれだけじゃ解決できない問題もある。密貿易に違法な武器取引。盗品売買にミラ・ロンダリング。そしてマフィアと政治家の癒着………どれも遊撃士が直接的には介入できない問題です。」
「確かに………」
「『支える籠手』の力にも限界はあるという事ですか……………(エステルさんとミントさんはメンフィルの私兵達がいて、身分もありますけど………彼女達でも無理なのでしょうか?)」
ロイドの話を聞いたランディは頷き、ティオは心の中で”影の国”で出会ったある人物達の事を思いだしながら目を伏せて呟いた。
「―――でも、警察なら本来それが可能なはずです。現実として、様々な”壁”が立ち塞がっていたとしても………そうした壁を突破できる可能性はゼロじゃないはずだ。」
「………なるほど。支援課ならその可能性を見出せるかもしれない………つまり、そういうことね?」
「ああ………ちょっと楽天的すぎるかな?」
「………現実はそこまで甘くないと思いますけど。ただ、どんな可能性もゼロではないのは確かです。」
「やれやれ………危険な囮役を買ったり………真面目で大人しそうなツラして大した熱血野郎だぜ。」
(クク………あたいは嫌いじゃないよ、そういう奴は。)
ロイドの疑問を聞いたティオは静かに答え、ランディは溜息を吐いた後口元に笑みを浮かべてロイドを見つめ、エルンストは口元に笑みを浮かべていた。
「別に熱血ってわけじゃないと思うけど………―――でも今回、みんなと一緒に仕事をしてて改めて思った。お互い、まだ
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