第13話
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犯罪を放置すれば市民や周辺諸国も騒ぐだろうし………今のところは、市民生活に直接迷惑はかけない一線だけはルバーチェ側も守っているようだ。逆にその一線を越えなければ何をやっても警察は動かない………そう高を括っているところもあるみたいだがね。」
「…………………」
「………そこまで………」
「なるほどなぁ。活気ある華やかな都市の裏側に魑魅魍魎のうごめく影アリか。」
「………機密レベルの高い情報をチェックしておきたいですね………」
イアンの説明を聞いたエリィは複雑そうな表情で黙り込み、ロイドは怒りの表情で呟き、ランディは納得した様子で頷き、ティオは複雑そうな表情で呟いた。
「まあ、ルバーチェの基礎知識は大体そんなところだが………―――しかし、ここ最近、少し風向きが変わってきていてね。」
「え………」
「どういうことですか?」
「これはまだ、警察の方でも掴んだばかりの情報らしいが………最近、どうやらルバーチェの対抗勢力が現れたらしいんだ。それもかなり強力な、ね。」
「対抗勢力………まさか遊撃士協会ですか?」
イアンの説明を聞いたロイドは驚いた後尋ねた。
「いや、対抗勢力といっても悪い意味ともう一つはわからない意味でだよ。悪い意味の対抗勢力とはカルバード共和国の東方人街に一大勢力を構えている組織………その組織が、このクロスベルに進出し始めているらしいんだ。」
「なっ………」
「ほ、本当ですか!?」
「ああ………以前からそんな噂はあったが、どうやら事実だったらしい。―――組織の名は、『黒月(ヘイユエ』。そしてつい最近、クロスベルの港湾区に出来たのが『黒月貿易広司』という。」
「『黒月(ヘイユエ』………」
「……いかにも東方風の名前ですね。」
イアンの話を聞いたロイドは考え込み、ティオは静かな表情で呟き
「しかしマフィア同士の抗争か………こりゃ、不良同士の喧嘩どころの騒ぎじゃないぜ。」
ランディは目を細めて呟いた。
「幸いにしてというべきか………まだ、その抗争そのものは表立っては始まっていないらしい。しかし近いうちに何らかの形で暗闘が始まるかもしれない………警察の捜査一課などはそれを警戒しているようでね。」
「捜査一課って………!」
「もしかして、先程こちらを訪ねていた眼鏡の男性は………?」
「ああ、捜査一課に所属するダドリー君という捜査官だ。ちょうど、今話している事と同じような話をしに来たのさ。」
「そうだったんですか……」
「…………………………」
イアンの話を聞いたエリィは複雑そうな表情で頷き、ロイドは黙って考え込み
「………ロイドさん?どうしたんですか?そんな難しそうな顔をして………
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