第12話
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〜宿酒場・『龍老飯店』〜
「うふふん♪やっぱり来てくれたわね。ほら、座って座って。お姉さんがご馳走したげるから♪」
自分に近づいてきたロイド達を見たグレイスは口元に笑みを浮かべて言った。
「それなんですけど………食事は遠慮しておきますよ。代わりに話を聞かせてください。」
グレイスの言葉を聞いたロイドは真剣な表情で言ったが
「なによ〜、いいじゃない。それともなに？『ボクたちは警察の偉い人みたいにワイロは受け取らないぞ！』ってこと？」
「なっ………」
不満そうな様子を見せた後口元に笑みを浮かべて言ったグレイスの言葉に驚いた。
「うーん、俺は別に。オゴってくれるなら喜んで。」
「わたしも別に………貸しを作るのでなければ。」
「まあ、そうね………常識の範囲内なら問題はないと思うけど………」
「人の好意は素直に受けておくものよ、ロイド。」
「うっ………」
そしてエリィ達の意見にロイドは唸り
「ふふん、潔癖症なのはロイド君みたいね〜。お堅いばっかりだと捜査官として大成しないゾ？」
「っ………わかりましたよ！ただし酒はナシ！それならご馳走になります！」
グレイスにからかわれ、グレイスの好意を受け、食事をしながら旧市街の事件の内容を説明した。
「美味しい………かなり腕の立つコックがいるみたいね。」
「もぐもぐ………なかなかの美味です………」
「そうね。本場の味に負けていないわ。」
グレイスの奢りによって東方の料理を食べたエリィ、ティオ、ルファディエルはそれぞれ高評価をし
「しかし、こんな美味しい料理に酒がないなんてありえないぜ。なあロイド、せっかくの奢りだし、ちょっとくらい良いだろ〜？」
ランディは残念そうな表情をした後、口元に笑みを浮かべてロイドに尋ねたが
「………駄目だって。こっちは仕事中なんだから。どこかでケジメは付けないと。」
「はいはい、ったくウチのリーダーは固いねぇ。」
ロイドの返事を聞き、諦めた。
「ランディさんが柔らかすぎるのではないかと………」
「そうね、さすがに仕事中にお酒はどうかと思うわ。」
ランディの言葉を聞いたティオはジト目で、エリィと共にランディを睨んだ。
「ふふっ……面白いわね〜、あなたたち。てんでバラバラな顔触れなのにどこかまとまってるっていうか………なかなか良いチームみたいね？」
一方ロイド達の様子を見たグレイスは微笑みながら見つめていた。
「………誉めても何も出ませんよ。それより――――旧市街での事件に関してはさっき一通り話した通りです。あなたが持っている『欠けたパズルのピース』………そろそろ話してくれませんか？」
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