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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十八話その2 敵の懐から脱出します!
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大幅にずれていただけに、アレーナ&イルーナ双方の勘の良さと迅速さ、正確さはコンピューターもびっくりの物であった。天性というやつである。
『それにしても・・・・』
アレーナはちょっと不審顔をしている。
『いくらなんでも同盟軍、しつこすぎない?ヘーシュリッヒ・エンチェンの比じゃないわよ、あなたたちに対しての追撃の執拗さ。わざわざ4隻に数百隻の艦艇を差し向けてきた意味、一つを除いてわからないわ』
「そうね。・・・・残念ながら、同盟領内にも私たち同様の転生者がいるということがこれではっきりしたことになるわね。それもカロリーネ皇女殿下やアルフレート殿下ではない誰か別の者が」
『問題は誰を狙ったのかよ。ラインハルトを狙ったのか、それとも・・・・』
「私を?」
イルーナは唇をかんだ。だとすればもしや――。だが、結論を出すにはまだ早いだろう。
「それよりもアレーナ。これは重要よ。きっとイゼルローン要塞内部には同盟のスパイが潜んでいる」
『あぁ、それね。今回の件については、一人同盟の情報部員がスパイとして引っかかったわ。ま、あれだけじゃないでしょ。まだまだいると思うわ。ゴキブリみたいにキリがないんだから』
ゴキブリホイホイ置くわけにはいかないものね、とアレーナは冗談交じりに言い、
『ということは、まだ見えない敵は情報部関係かな?そうでなくちゃラインハルトとあなたが秘密裏にイゼルローン回廊を出立して同盟領内に潜入することなんて、わからないじゃない。神様でもない限り。でもそうだとすると、出先艦隊が執拗に攻撃してきた意味が分からないわね。矛盾するわ。たかが艦隊司令にそんな機密情報を閲覧できるコネクション、ないわけでしょ』
「複数いるのかもしれないわね。一人は首都星ハイネセンに。そしてもう一人は出先艦隊の司令に。そうであれば理由はつくわ」
イルーナの言葉を聞いていたアレーナは吐息交じりに苦笑した。
『帝国領内だけでも大変だってのに、自由惑星同盟内にも転生者か。いやになっちゃうわね。まるでキノコみたいにあとからあとから』
「仕方がないでしょう、ともかく要塞に帰還したら一度会議を開きましょう。情報を共有し、今度の戦略について話し合わなくては」
『了解。じゃ、気を付けてね』
通信を切ったイルーナはほっと背もたれに身をもたせ掛けた。先の会話で結論は出さなかったが、彼女の脳裏には一人の人間の顔がうかんでいたし、確信もしていた。
「シャロン・・・あなたもなの・・・・?」
シャロンは前世におけるイルーナ・フォン・ヴァンクラフトの騎士士官学校時代の同期であり、騎士士官学校の主席指導教官として名をはせていた。知略、武術、センス、どれをとっても超一流の人だった。イルーナでさえ、内心ひそかに嫉妬したこともある
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