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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十八話その2 敵の懐から脱出します!
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時だった。キルヒアイスがはっと顔を上げた。何か重要なことに気が付いたように目が見開いている。

「ラインハルト様!!」

 キルヒアイスが艦長席を切り裂くように振り返った。

「ワープです!!」
「なにッ!?」

 ラインハルトが艦長席から身を起すのと、震動が襲ってくるのとが同時だった。

「わぁぁぁぁぁっ!!」
「きゃあっ!!」
「うぉうっ!!」

 艦橋要員たちが悲鳴を上げる。

「落ち着け!!損傷を確認し、負傷者のチェックをしろ!!各砲搭はそれぞれの部署に置いて、全力応射!!ミサイルも全弾射出だ!!」

 ラインハルトが矢継ぎ早に指示を飛ばす。

『ラインハルト!!』

 イルーナ・フォン・ヴァンクラフトが通信スクリーンに出た。

『上下から敵よ!!ワープで接近し、左右と連携して私たちを包囲しにかかっているわ!!』
「くっ・・・・!!」

 ラインハルトがこぶしを握りしめた。一筋の汗が額に流れた。損傷報告は今のところ機関部への影響はないということである、だが、それもいつまでもつか――。
 ふと、ラインハルトの脳裏にある考えが浮かんだ。手は荒っぽいし、こちらに被害が及ぶ可能性もあるが、この際手段は選んでいられないだろう。彼はすぐに3隻に連絡した。


 増援を含めた250隻の同盟軍艦隊が上下左右から、一斉に4隻を包囲したのは、壮観であった。

「第七駆逐艦隊、射程距離に入りました」
「第三巡航艦隊、砲撃準備よし」
「第一巡洋戦艦隊、照準完了しました」
「前方、増援戦艦部隊、戦闘準備完了!!」

 続々と入ってくる報告を、ティファニーは右手に持った指揮棒を左手の平に叩きながら、聞いている。戦場で指揮を執るとき、彼女はあたかもオーケストラの指揮者の様に指揮棒を振るうのだ。それがまるで演奏を指揮しているかのように華麗な動きをすると、評判であった。


 上からは巡航艦隊がその砲門を指向し――。
 下からはミサイル艦隊がその照準を合わせ――。
 左右からは駆逐艦隊が敵を砲撃と雷撃で追い詰め――。
 そして前方にはティファニーが増援として呼び寄せた大型戦艦12隻が砲門を開いて――。

 そして、後ろからはティファニー直属の巡洋戦艦部隊がその砲門を指向して砲撃体制を完了していた。まさに完全包囲体制である。250隻と4隻ではいかに4隻が知力の限りを尽くしても、数秒で粉砕されて終了だった。敵は必死に応戦しているが、圧倒的な戦力差の前には蟷螂之斧に等しい。

「これで終わり・・・投了しなさい!!」

 ティファニーの右手が、緩やかに後方に一度下げられ、さっと指揮棒を鮮やかに前方に振りぬいた。全艦隊砲雷撃開始の指令である。

 完全包囲体制の同盟艦隊は一斉に4隻の哀れな
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