第3章:再会、繋がる絆
第49話「微かな前兆」
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に複雑な術式が込められている。
これは....。
「...霊力保管?」
「...よく分かるわね。そうよ。これに霊力を込めておけば、いざと言うとき霊力を回復できるの。...まぁ、優輝が試行錯誤してた奴の霊力版って所ね。」
「呪い師の分野だから作るのに苦労したよー。」
そう言って同じような御札を数枚見せてくる。
「本当、優輝は規格外よね。本来なら数枚で発動させる術式を、たった一枚に収められるんだから。...私達、同じ事をするのにどれだけ苦労したか...。」
「作れたのこれだけだもんねー...。」
葵が手に取ったのは、複数枚の御札の中でも三枚だけ。
それだけ、失敗を繰り返していたのだろう。
「いや、何かしてくれようとしただけでも僕は嬉しいよ。ありがとう、椿、葵。」
本心から、その言葉を二人に掛ける。
「なっ...べ、別に優輝のためじゃ...!それに、お礼なんていらないから!」
「あははー、かやちゃん照れてるー。」
「そういうアンタだって顔を赤くしてるじゃない!」
椿の周りに咲き誇るように花が出現する。
...椿は、こう言う所わかりやすいよな。そう言う所が椿らしくていいんだけどさ。
「じゃあ、霊力関連の方は任せたよ。二人の方が専門家だからね。」
「...任せなさい。あっと驚かせてやるんだから。」
照れているのを一度落ち着かせ、椿はそう言った。
「(僕が作った魔力結晶と、椿たちの霊力回復の御札...なーんか、フラグが...。)」
まさにこれから必要になるかもしれないというタイミングの良さに、少し不安になった。
「...よし、夕飯まで時間はあるし、軽くリヒトとシャルのメンテでもするか。」
その不安を振り払うように、僕は二機のメンテに取り掛かった。
「...くくく...管理局も存外に警備が甘いな...。バレてもまんまと逃げれる程度とは...。」
薄暗い部屋の中、一人の男が嗤っていた。
「...これで...これで全てが揃う。」
男の手の中には、青色の菱形の石があった。
どうやら、複数個あるらしく、机の上にいくつも浮かんでいた。
「さぁ、全てを思い通りにできるよう、願いを叶えてくれよ...?」
封印処理を済まされているとはいえ、膨大な魔力を秘めているソレに、男は手を翳す。
「―――ジュエルシードよ...!」
―――...脅威は、すぐ傍まで忍び寄って来ている...。
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