ターン50 鉄砲水と天王星の主
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戦闘ダメージを直接叩きこまれて、無事で済むわけがない。上空に浮かぶ球体の表情からは何も読み取れないが、確実にあのデカブツにもダメージは通っているはずだ。
砂の巨人 LP100 手札:3
モンスター:なし
魔法・罠:なし
清明 LP1400 手札:3
モンスター:青氷の白夜龍(攻)
魔法・罠:グレイドル・インパクト
「むん……」
圧倒的に追い詰めた状況にもかかわらず、妙に落ち着いた様子でカードを引く巨人。1枚の魔法カードを、その手札から発動した。
『あれは、フォトン……』
「サンクチュアリ……」
チャクチャルさんのセリフの後半を奪う。フォトン・サンクチュアリは、2体のモンスタートークンを呼び出すことのできるカード。確かにあのカードがあれば、フィールドが空のこの状況からでも一瞬で最上級モンスターを場に出すことができる。だけどあのカードには、確か発動ターンの光属性以外の展開を禁じる制約があったはず。地属性がほとんどの岩石族で、巨大ネズミまで3積みしているのに光属性モンスター?その疑問に答えるかのように、上空で動きがある。その瞬間、ようやくぴんときた。
「まあ、いつか来るとは思ってたよ?うん」
『随分と遅いお出ましだな』
上空の球体が、ゆっくりと前進する。今まさにぼくとデュエルしているこのカードの精霊が、ついに戦線に直接参加したのだ。
The despair URANUS 攻2900
『ウラヌス……?』
「知ってるの、チャクチャルさん?」
『先ほどの話は私も聞いていたが、ウラヌスとは天王星の意。もしあのモンスターがこの世界の主だとしたら、あの仮説もあながち間違ってはいないのかもな』
「へー……ま、なんにしたってあれがこの世界のラスボスってわけだ。だったら勝負だ、ぶっ倒す!」
気合を入れ直したところで、球体改めウラヌスの両目がそれぞれ赤と緑に光を放った。どうやらこの2色の中から1つを選べ、と言いたいらしい。赤と、緑?どちらを選んでもろくなことにならなさそうではあるが、選ばなければいけないというのなら……まあ、適当でいいか。
「せっかくだから、赤で」
そう言った瞬間、巨人のデュエルディスクから1枚のカードが飛び出す。そのカード……安全地帯をこちらに見せてから、フィールドにセットする。なるほど、赤……つまりトラップをアドバンス召喚の時にデッキから直接場に引っ張ってこれる能力があるわけか。緑って言ってたら魔法カードを引っ張ってきたんだろう。これはなかなか厄介だ。破壊からモンスターを守る安全地帯というのがとくに。
「むん……」
だが、このターンはこれ以上動かない。当たり前だ、せっかく出したところ悪いけど攻撃力はこっ
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