機動戦艦ナデシコ
1366話
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理想の女性に近いと言えるでしょう」
「……そういう割りには、お前はあまりオウカに対して憧れのような感情を持ってはいないんだな」
「そうですか? 私も彼女を素晴らしい女性だと思っていますけど」
オウカに対して思っているのは他の者達と同じではあるのだろう。
だが、それでも他の面子のようにオウカへ向けている視線とは違うように思えた。
これは……やっぱりエザリアが関係してるのか?
白鳥は最初にエザリアと話した時に、かなり惹かれているように思えた。
勿論それはあくまでも俺の邪推でしかないが、だが、決して間違っている訳ではない……と思う。
「エザリアか」
「なっ!?」
俺の口から出た言葉に、見て分かる程に焦る白鳥。
この態度が全てを物語っていると思うんだが。
「い、い、いきなり何を!?」
「いや、そんなにいきなりって程でもないだろ。……ただ、一応言っておくけど、エザリアはシャドウミラーの中でも重要な人物だ。口説くというのはちょっと難しいと思うぞ? それに……エザリアを口説くには最大の難敵がいるしな」
そう呟き、俺の視線が向けられたのは、秋山と話しているイザークの姿。
「別に彼女をく、く、口説きたいとは思っていませんが、何故彼が最大の難敵と?」
「イザーク・ジュール。それがイザークの名前だ。そしてエザリアの名前はエザリア・ジュール。この意味が分かるか?」
「……もしかして、姉弟といった関係なのでしょうか?」
「惜しい。正確には、母親と息子だ」
「……え?」
一瞬の沈黙の後、白鳥の口から上がったのは唖然とした声。
自分が何を聞いているのか分からないといった、そんな呟きだ。
まぁ、エザリアの姿を見てイザークのような年齢の息子がいるとは、普通思わないだろうから仕方ないだろうが。
「冗談、ですよね?」
「いや、正真正銘真実だ」
「……息子?」
「ああ」
正直、俺の方がそんな疑問を抱いていると言ってもいい。
何故エザリアがあんなに若々しいのか。
時の指輪の受信機がもっと前に出来ていれば納得出来たのだろうが、エザリアは元からあんな風に若々しかった。
コーディネイターの不思議って奴だな。
ただただ唖然とするしかない白鳥を見ながら、俺もエザリアの若さに思いを馳せるのだった。
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