忘れんなよ
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(もう少し耐えろよノーラン。そのあとならどうなってもいいからよぉ)
自分でも酷いことを言ってるのはわかっている。だが、元の原因は彼にあるため、責任ぐらい果たしてほしいと思うのも正直なところなのであろう。
「行くか」
一度大きく息を吐き、シリルとノーランの方へと手を向けるカミューニ。
「波動波!!」
彼のその手から、魔力の波動が打ち出され、ノーランに飛び掛かろうとしていたシリルに直撃する。
「な・・・何!?」
カミューニの攻撃を受けたシリル。しかし、少年には目立った外傷もなければダメージを受けた様子もない。ただ、敵とは別の方向から攻撃が飛んできたことに、驚いているといったところだ。
「マジかよ。結構傷付くな」
(けど・・・)
予想はしていたが、本当に少年にダメージを与えられなかったことに悔しさを滲ませるカミューニ。しかし、彼はおおよその狙いは達成していたので、ニヤリと笑みを浮かべていた。
「動くなシリル!!」
「!!」
カミューニの方へと体を向けたシリル。その背後から、ラクサスが彼に飛び付き、体を拘束する。
「ちょっ!?ラクサスさん!?」
突然仲間に体を拘束され、訳がわからないといった表情のシリル。少年はラクサスを振り払おうとするが、体格に大きな差があり、なかなか引き剥がすことができない。
「何してるんですか!?変態ですか!?」
「そういうこと言うから女に間違えられんだろうが!!」
自分に強く抱きついている竜に真面目な顔でそんなことを言ったシリルに、ラクサスがもっともなことを言う。シリルは簡単には彼を退かすことができないとわかると、彼を力尽くで投げ飛ばそうとする。
「っらぁ!!」
「くっ!!」
背負い投げの要領でラクサスをカミューニの方へと放り投げるシリル。カミューニは飛んできた彼を、魔力の流れから感知し、ガッチリと受け止めていた。
「邪魔しないでくださいよ。邪魔するなら・・・
例え二人でも殺しますよ」
目を細め、静かな口調で二人を牽制するシリル。その時、シリルを蝕む模様は、ドラゴンフォースにより浮き出た鱗にまで侵食を進めていた。
「シリル!!もうやめて〜!!」
離れたところからシリルに必死に呼び掛けるセシリー。その声に気付いたシリルは、彼女の方に親指を立てる。
「任せてセシリー。ウェンディとシャルルの仇は取るから」
「違うよ〜!!そうじゃないのシリル〜!!」
友の言葉の意図を理解できておらず、自分の思考のままに動こうとしているシリル。セシリーはそんな彼に諦めずに声をかけ続けるが、いっこうにわかってくれそうには見えない。
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