第九話 南西諸島攻略作戦(後編)その1
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手を大きく振り返した。
「瑞鶴さん、本当にお疲れ様でした。」
榛名が、そして紀伊も由良も不知火も綾波もみんな頭を下げた。
「私一人の力じゃないわよ。それに、まだ戦いは終わっていないわ。これからが正念場なんだから。」
「ええ・・・あ、待ってください。」
榛名が髪飾り付近に手を当てた。
「佐世保鎮守府南西諸島攻略部隊から全作戦部隊に入電です。『我ラ激戦ノ末南西諸島本島ヲ攻略セリ』です!!」
5人は安堵と喜びのと息を吐いた。だが、紀伊はすぐに緩みかけた顔を引き締めた。
「おかしい・・・・。」
「何が、ですか?」
不知火が尋ねた。
「こんなにあっさり本島と前線泊地を攻略できるなんて・・・・。あそこは敵の重要拠点のはずです。」
「でも、電文では激戦とありましたけれど・・・・。」
と、綾波。
「言いにくいけれど・・・・。」
瑞鶴が口を開いた。
「勝利の際の報告はちょっと誇大性があるのよね。だから実際には割とスムーズに制圧できたんじゃないかな。まだ1時間程度しかたっていないし。そうね・・・紀伊の言うとおり、確かに変だわ。」
「偵察戦で少なからぬ戦艦や空母を損傷した影響ではないでしょうか?」
由良が言った。
「それもあるかもしれないですが・・・・。」
紀伊は胸騒ぎがした。これまで幾度となく味わってきたもので、これが起こるときは必ずと言っていいほど異変があったのだ。
(よく考えるのよ、敵の狙いは何・・・・・?本島や泊地を敢えてこちらに制圧させるほど敵が後退をつづける理由はいったい何・・・・?敵の狙い・・・狙い・・・?敵の狙いは・・・・狙いは・・・・まさか!?)
紀伊ははっと海上を振り返った。長い銀髪が折から吹きすさんできた強風に乱された。
「伊勢さん!?」
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