第九話 南西諸島攻略作戦(後編)その1
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たら、きつ〜〜くお仕置きしてやるんだから!!」
「まぁまぁ。」
紀伊が宥めた。
「あなたの艦載機の方が優秀かもしれないわね。素直で役に立って。あぁぁ・・・・。」
瑞鶴はツインテールの頭を抱えた。
「あの、それは――。」
「お二人とも、そろそろ戦闘準備に入ってください。泊地の敵艦隊は殲滅しましたが、残存艦隊がこちらに向かってきているようです。電探に反応あり!!」
榛名が叫んだ。
「ようやく、出番ですか。」
不知火が身構えた。
「水雷戦隊として存分に戦います!!」
綾波も主砲を構えた。
「由良さん。駆逐艦のお二人を率いて右翼から敵艦隊をかく乱してください。その後、私と紀伊さんが列を乱した敵艦にとどめを刺します。」
「わかりました。不知火さん、綾波さん。」
うなずいた二人とともに由良は滑るように海面を離れていった。
「こちらの電探にも敵を捕らえました!陣容は重巡1、軽巡2、駆逐艦3です。なお戦艦はいない模様。」
紀伊が叫んだ。
「わかりました。瑞鶴さんは後方に退避して周辺警戒を厳にしてください!!」
「わかったわ。二人とも・・・気を付けて!」
二人はうなずいた。
「紀伊さん!!」
「はい!!」
二人は海面をけって、白波を蹴立てて走り出した。ほどなくして黒光りのする雲の下、右舷に閃光が数度きらめき、水しぶきが上がるのが見えた。由良達が敵と交戦し始めたのだ。その後ろを迂回するようにして接近した榛名と紀伊はそれぞれ位置についた。
「主砲、砲撃開始!!」
榛名の叫びと共に放たれた主砲弾は敵艦隊の先頭付近にいた軽巡を吹き飛ばしたその横合いから紀伊が前進し、主砲を敵に向けた。
「全主砲、斉射!!テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
左手を前に振りぬきながら紀伊が叫んだ。轟然と41センチ3連主砲が火を噴き、海面を切り割った直後、敵のリ級が粉みじんに消し飛び、駆逐艦一隻を轟沈させた。
「今です!!よくねらって!!て〜〜〜〜ぇ!!」
由良が叫び、右翼水雷戦隊の3人は一斉に魚雷を発射した。水面下を走った魚雷は残存駆逐艦と軽巡に命中、轟音と閃光がおさまった時、敵の姿は消えていた。
「やりました!!」
綾波が叫んだ。
「敵艦隊、殲滅完了です。」
「ええ。みんな無事?」
そこに榛名と紀伊が駆けつけた。5人とも傷一つおっていない。
「よかった。みんな無事でよかったです!」
紀伊がほっと胸をなでおろした。
「ええ・・・本当に、よかった。きっと瑞鶴さんと紀伊さんのおかげです。航空隊が敵艦隊に手傷を負わせていたからこそ、スムーズに戦えたんです。」
「いいえ・・・私なんかより瑞鶴さんの、そして皆さんのおかげです。本当に、よかった。」
そこへ瑞鶴が走ってきた。大きく手を振っている。
「みんな!!やったわね!!」
榛名や紀伊たちも
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