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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第九話 南西諸島攻略作戦(後編)その1
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も、ちょと待って・・・なんか変。」
プリンツ・オイゲンが首をかしげた。
「どうしたの?」
「最初の作戦じゃ空母を狙うんじゃなかったっけ?なのにどうして目標を戦艦に切り替えたのかな?」
「空母・・・。」
ビスマルクは首を傾げ、ふと霧島を振り返った。
「どう思う?」
「答えはわかっているはずでは?おそらく・・・・。」
「あなたも同じ考えか。やっぱりね。おそらく敵は前もって空母を逃がしていた。つまり――。」
「私たちの奇襲を向こうは知ってたってことですか?姉様。」
「わからないわ。」
ビスマルクは当惑したように考え込んでいる。
「ならば、迎撃を万全にして待ち構えているはずだし、私たちもとっくに襲撃されていても不思議じゃないもの。」
「ええ。おそらく何かしら情報があったのかもしれません。ただそれは不確実なものだった。だから空母を海上に退避させて様子を見ていた。そんなところでしょうか。」
「あるいは、空母を進発させて、また通商破壊作戦を開始するところだったのかもしれないわね。」
天津風が言った。
「だったら、この近くに空母がいるのですか?」
と、雪風。
「わからないわ。でも、もしかしたら私たちが狙われているのかもしれない。しまったわね。こんなことなら鳳翔さんや赤城、加賀に来てもらうべきだったかしら。」
空母支援のない艦隊は敵の航空隊の餌食になりやすい。そのことをこれまでの戦いでビスマルクは嫌というほど知り尽くしていた。
「こうなれば、一刻も早く榛名姉様と合流しましょう。瑞鶴さんや紀伊さんもいますし、合流したほうが戦力としては大きいです。」
「でも、近づけば敵に発見されちゃうかもっぽい?」
夕立が心配そうに言った。まずは榛名たちが先制攻撃を仕掛け、迎撃してくるであろう敵艦隊を消耗させたのちに、ビスマルク達が艦隊戦でとどめを刺す。これが呉鎮守府のたてた作戦だった。だから、ビスマルク達が榛名たちと合流することはこの作戦を根底から覆してしまうこととなる。
「その時はその時よ。無線封鎖して、まずは現場に急行しましょう。急ぐわよ!!」


20分後――。
第二次、第三次攻撃をもって、トガラ泊地の敵艦隊及び港湾施設、そして敵司令部はほぼ壊滅したとの攻撃隊の報告が入っていた。
「でも、空母は?!どうして空母がいなかったの?」
瑞鶴がいらだたしげに攻撃隊長妖精と通信会話している。特殊な通信波なので、深海棲艦には内容は読み取れない。だが、先ほどから降りしきる雨と雷鳴の中、乱れたった通信を聞き取ることは瑞鶴でさえ困難な様子だった。
「え?なんですって?!よく聞こえないわ。なに?最初からいなかった?話が違う!?あ、コラッ!!ああ、もう!!」
瑞鶴はどうしようもないというように右手を振った。
「勝手に通信を切ったりして!!帰ってき
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