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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第九話 南西諸島攻略作戦(後編)その1
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「よ〜し、皆行くわよ!!戦艦ビスマルク、抜錨!!出撃するわ!!」
ビスマルクが水面を力強くけって、大海原に飛び出した。その後を各艦娘が白波を蹴立てて追っていく。

第三艦隊の待機するドックにも注水が完了していた。
『第七艦隊、鎮守府護衛艦隊、出撃完了しました。続いて、第三艦隊、出撃してください。』
「瑞鶴・・・・。」
艤装を装填完了した翔鶴が目をつぶり、胸に手を当てていた。
「どうか無事で帰ってきて・・・・・。」
「何をしている?」
翔鶴が目を開けると、日向がこちらを見ていた。
「祈っていました。」
「妹の事か?なに、大丈夫だ。」
日向がフッと息を吐いた。
「第七艦隊には榛名がいる。それに・・・・奴もいる。」
「紀伊さんの事ですか?」
「さあな。」
日向は前を向いた。
「私が言えるのは今作戦に動員された艦隊には一人として弱小艦はいないということだ。」
翔鶴はにっこりした。
「それで十分です。」
「日向、翔鶴、皆準備が整った。私たちも出撃するよ!」
伊勢が声をかけた。
「皆!!私たちの任務は海上にノコノコ出てきた敵艦隊の撃滅だからね!!もう、今までの様な受け身の作戦じゃないんだから、思う存分戦っちゃってよ!!」
「積極攻勢、大歓迎よ!!」
足柄がこぶしを握りしめた。
「他の皆様方に後れは取りません。この妙高、全力で敵艦隊を叩きます。」
「伊勢に言われるまでもない。」
「私も頑張ります!!」
「瑞鶴・・・・榛名さん・・・・紀伊さん・・・・・みんな・・・・ええ、必ず成功させましょう。」
「抜錨よ!!航空戦艦伊勢、出撃します!!」
伊勢を先頭に、第三艦隊は白波を蹴立てて大海原に出撃していった。

「壮観じゃな。」
埠頭で見送りながら利根が言った。次々と出撃していく艦隊の士気の高さは遠目に見てもわかるほどのものだった。
「はい。皆さんとても高い士気です。」
「残念ね。こんな時に鎮守府の留守番だなんて。」
暁が口をとんがらせた。
「そういうな。留守の守りも大切なのだからな。」
利根が暁の肩をポンと叩いた。
「そうなのです。それに今回の出撃が最後じゃないのです。次こそは第6駆逐艦の出番なのです!」
「そうそう、真打は最期に登場ってね!」
「そうだ。」
「そっか。そうよね・・・・。紀伊さん、皆・・・・どうか無事に帰ってきますように。」
暁は大海原に向かって手を振った。


執務室にて。提督のモノローグ――。
 前回の南西諸島偵察では予想以上に迎撃を食らった。そのため、呉鎮守府と佐世保鎮守府の艦娘たちに多大なダメージを負わせてしまった。これは提督である俺たちのミスだった。だが、ミスをミスのまま終わらせるわけにはいかない。俺はひそかに佐世保鎮守府の提督と通信会談し、今まで以上に協調し
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