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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十八話 敵の懐に飛び込みます。
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その表情は心なしか凄惨さを帯びてきているように見える。
「お待たせしました。・・・・開きます」
士官が捜査し終わると、扉が重苦しい音を立てて開き、同時に光が流れ込んできた。
『おぉ・・・・』
かたずをのむ一同。それもそのはず、扉の向こうには広大な空間が広がっており、その中に一隻の艦が置かれていたのである。
(これは・・・・アースグリム級・・・・!?)
イルーナが内心息をのんだ。アースグリム級とは、原作でファーレンハイトが座乗していた戦艦で、その最大の特徴は、当たれば数百隻は消し飛ぶという艦首に備え付けられた波動砲である。
「動かせるか?」
ラインハルトは傍らの技術士官に尋ねた。ゼッペル・フレーグナーという大尉士官はまだ20代の青い髪をした青年である。その髪の性なのか、照明の性なのか、やけに顔が青い。
「は、はい!艦のシステムは休止状態になっているだけですので、操艦は可能です。ただ―」
「ただ、なんだ?」
「あ、いえ!なんでもありません」
「大尉、今回の任務においてはいかなる事態にも想定しなくてはならない。隠し立ては許さん。知っていることがあれば、すぐに話してもらおうか」
ラインハルトの鋭い眼光に侵されたように、大尉は後ずさったが、やがて観念したように、
「実は、艦の回収に失敗するような不測の事態が生じた場合には、この基地ごと艦を爆破せよとのシャフト技術大将から言われております・・・・」
『何!?』
一同が驚いているなか、ラインハルトとイルーナだけは冷静だった。
「そいつは、どういうことだ?俺たちごと吹き飛ばそうというのか?つまりは自爆をするということか!?」
ベルトラム少佐が詰め寄る。彼にしてみれば、以前ハーメルン・ツヴァイで艦ごと自沈しようとして激しくラインハルトたちと争い、その結果取り返しのつかない事態を招きそうになったことがある。彼ほどあの時のことを後悔し、早急かつ軽率な判断を嫌う者はいないだろう。
「そ、それは――。しかし、敵に技術を渡すわけにはいかないのでありまして――」
「その通りだ」
一同が振り向くと、ラインハルトは腕を組んで正面から二人を見ている。だが、その顔は不敵な笑みで満ちていた。
「新鋭艦の技術、敵に渡すわけにはいかない」
「お、おい!」
「だが!!自爆などもってのほかだ!!!この艦は我々が責任をもって、イゼルローン要塞まで持ち帰る!!!」
その時、轟音と共に基地が震動した。
『ラインハルト様!!敵軍が遠距離からこの基地に砲撃を仕掛けてきております!!』
「わかった。キルヒアイスは艦隊をまとめて脱出しろ。俺たちは最新鋭艦に搭乗し、ここを離脱する!」
『わかりました!ご無事で!』
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