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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十八話 敵の懐に飛び込みます。
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かける。うなずき合った二人はすぐに艦の状況把握に努めた。

「ミューゼル大佐、指示を!!」

 ベルトラムが促す。

「ベルトラム少佐は射撃管制装置を、フロイレイン・レインは操舵を、レーダー索敵については・・・・」

 見まわしたラインハルトに艦橋に入ってきたイルーナの姿が移った。

「イルーナ・・・大佐に」

 いつもの癖で姉上と言いかけようとするのを自制したラインハルトはぎこちなくそういった。

「わかったわ」
 
 そういうと、イルーナは手短にゼッペルからシステムの概要を聞くと、席に着いた。

「よし、ハッチを開けろ!」

 ゼッペルがコンソールを操作すると、ドッグのハッチが開いた。むき出しの宇宙に時折照射されるのが、主砲の中性子ビーム砲。敵はすぐそこまで迫ってきているらしい。

「だ、大丈夫か!?」

 誰ともなしに叫んだ。この状況では出たとたんにハチの巣にされかねない。

「シールド展開。エネルギーバイパスをシールドに接続。ロック解放、上昇します」

 レイン・フェリルが片手でシールドを展開し、片手で操舵するという器用さを見せる。それでいて冷静さを失わない。イルーナはそれを見て、さすがは前世帝国軍随一の才媛だと思った。

『ラインハルト様』

 キルヒアイスが通信してきた。

『敵は巡航艦2、駆逐艦6、そして巡洋戦艦が2隻です。現在我々は小惑星帯に入り、小惑星を盾にして応戦中ですが・・・・。戦況は不利です』
「よし、そちらと敵の位置を送ってほしい」

 ラインハルトの言葉が終わらないうちに、早くも戦況図が送られてきた。

「上昇と同時に艦隊に合流、4艦で体制を整えて、迎撃に移る。・・・いや、待て」

 システムをいじっていたラインハルトがあるものに気が付いたらしい。

「超波動砲・・・・?ほう、戦艦主砲の数百倍もの出力での波動砲か。イゼルローン要塞のトールハンマーのようではあるが」

 それを聞きつけたゼッペルが声を上げて、ラインハルトのそばに来た。

「駄目です!それはまだシステムとしては未完成です!システムの制御ができず、下手をすれば艦ごと吹き飛ぶ可能性も――」
「テストはしたのか?」

 ラインハルトが尋ねる。ゼッペルの顔に汗が流れ落ちた。

「あ・・・・・・」
「したのか、と聞いている!」
「は、はいっ!しました!試験結果はあくまシミュレーションではありますが、発射成功率72%、緊急システムダウンによる失敗が10パーセント、そして・・・システム制御できず、自爆に至ったのが18パーセントという・・・・」

 おぉ、という声にならないどよめきが起こった。

「いいだろう!72%、この状況下においては充分すぎるほどの成功率だ」

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