暁 〜小説投稿サイト〜
Everlasting oathーブラッド・オンラインー
命を踏み台にして進む
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ドが一つなのだろうか。

 二文字で表すなら────────────事件。誰が何と言おうが事件だろ。

「ボクは別に構わないけど?」
「お前はアホか。男女が屋根の下、しかも密室の中に2人だぞ。恐ろし過ぎるシチュエーションだわ」
「うん、安全だよね!」
「うん、分かってないね。お前がベッドに寝ろ。俺は床で寝るから」
「ケイスケが寒くて風邪引いちゃうよ」
「ゲーム内じゃ風邪とかいう状態異常ないから」

 はい、俺の勝ち。

「凍結しちゃうよ?」

 は、は?

「俺は宿に殺されるのか。ふざけんな」

 状況を説明すると、パーティを組んだ後に攻略会議は解散され、宿に向かったのだが────一つの部屋にベッドは一つしかありませんでした。などという稀にある安価な宿の所為で窮地(きゅうち)に立っているケイスケに対してユウキは異常な程しつこく、ケイスケを一緒のベッドで寝させようとする。

 床で寝ようとするとユウキ様御得意の『〜くれるまで離さないっ!』と言い、服を引っ張る。

 もう、ユウキが半周回って可愛く思えてきてしまう自分がいた。

 長い間、論争が続いて最終的に首に抱き着かれ強制的に落ちたのは言うまでもない。





「ケイスケ〜〜っ!」
「何だよ」
「何でもないよ〜」

『呼んでみただけ』というやつだろうか。もしかして───弄ばれている………?

「君はなんでフードをいつも被ってるの?外した方が可愛いのに」
「…………別にいいじゃない」

 フードを被った女性プレイヤーはか細い声で呟く。

 第1層ボス攻略開始当日になるとプレイヤー達の士気は高まり、『今日は行けるな』と言う者がちらほらと出て来る。

 それぞれの役割を果たす部隊は『A』、『B』、『C』隊と分けられ、作戦は自分達を含めグループ4つの一塊、B隊で取り巻きの《ルイン・コボルト・センチネル》をA隊のタンク隊(最前線攻撃部隊)に近づけさせないこと。

 至って簡単、自分達が取り巻きを片付けてタンク隊が一気にボスを倒すという作戦。

 因みに残りのC隊は俺達が片付けきれなかった取り巻きを倒すという作業をする。

 俺が『行くぞ』と声をかけるとキリトとユウキが『分かった』と言い、無口な女性プレイヤーは頷いた。ボス部屋の扉が開く────

「全員、突撃!」

 ディアベルが戦闘開始の合図を告げた途端(とたん)、場にいる全てのプレイヤー達が叫びながら突撃し、剣を振り下ろして行った。

 男共の獣じみた叫びの中、刃物が敵の肉に突き刺さる鈍い音や金属同士がぶつかり合う音が耳を突き刺す。

 相手の動きはβテストと変わらない短調な行動(コマンド)。…………弱すぎる。ボスであるイルファング・ザ・コボ
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