第19話『会得』
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・・・?
*
「ほら起きろー!」
「「「うがぁ!!?」」」
早朝から幾つもの叫び声が部屋に響く。
それは、部長の『ビリビリ目覚まし』によって引き起こされたものだ。
俺もその被害に遭い、少々髪の毛が逆立った状態のまま勢い良く目覚めた。
「ちょっ、何事ですか!?」
あまりの衝撃だったし、わざわざ能力を使って起こしたということは、何か起こったのだろうか。俺は直感的にそう思った。
「え? いや、ただ起こそうと・・・」
…だがどうやら深い意味はなく、本当にただの目覚まし時計代わりだったようだ。だったら普通に揺らすなりして起こして下さいよ。
俺はふと部屋の壁に掛かっている時計を見た。
時計『5時30分』
時計は正直にそう示していた。
部長、さすがに早過ぎる…。まぁでも、昨日の疲れを引きずらず、元気になってくれたから安心した…。
でも早いよ、老人か何かですか部長は?
「ちょっと煩いよアンタ達! 何時だと思ってんの?!」
ふと、大きく高い声が部屋中に響く。
見ると、目を擦りながらこちらを見ている副部長の姿があった。
「お、来てくれたのなら丁度良い。もう起きろ」
「はぁ何言ってんの? まだ大丈夫でしょ。あと2時間待って」
部長が俺らに言うときと同じように副部長に言った。だが副部長はまだ寝たいのか、それに対抗する。
「早起きは三文の徳って言うだろ。いいから起きろ」
「うるっさいね。ぶった斬るよ?」
部長の(少なくとも)優しい気遣いを、副部長は暴言で返す。
つか何で部長と副部長が会話すると、毎度毎度危ない雰囲気が出るの?
『喧嘩するほど仲がいい』ってこと? いやでも仲悪いよこの二人。
「2人とも、落ち着いて下さい。早朝から喧嘩したって何も良いこと無いですよ?」
俺は穏やかに言った。
まずは気持ちを伝えて落ち着かせる、と。反応は…?
「三浦、静かにしてろ。今からコイツを目が冴えすぎて眠れなくなるくらい痺れさせる」
「じゃあ私はアンタを永遠の眠りにつかせた後、寝ることにするわ」
何なのこの険悪ムード…!?
また手に負えないパターン!?
誰か!見てないで助けてよ!
そんな「ドンマイ」みたいな顔で見ないで!ねぇ暁君!!
俺がそう思いながら暁君を見つめると、暁君は両手を上げ、お手上げのポーズをしてきた。
己の無力さが情けない…。
「早く起きろって言ってるだけだろ! 何が不満なんだ!」
「アンタの体内時計に不満を持ってるよ! もう少し寝かせてくれたって良いじゃない!」
いっこうに終わらない
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