外伝 あいつはそういう奴だから
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い』。手に入ったら面白くない。手に入ったらそれはオーネストではない。だからこそ……その二律背反が、堪らない」
フレイヤは、手に入れることを望み、手に入らないことも望んだ。結果として、フレイヤは望んだ結果を得られた。ならばあの戦いに意味はあったのだろうか、とオッタルは思った。フレイヤは彼が死なない事をどこか確信しているようだが、オッタルの経験則ではオーネストは5割以上の確率であのまま死ぬだろう。
そこまで考えて、オッタルは首を横に振った。
(いや………フレイヤ様のような確信が得られなかったのは、俺が奴を知らなかったからか。思えば俺の行動は、半ばあいつに支配されていたようなものだ。この耳も奴の望むことをやられた結果。これは――恥ずべき戦いだったな)
オーネストは、フレイヤに絶対の忠誠を誓うはずのオッタルの心を動かした。オッタルは、あの瞬間にフレイヤの事を考えているようで考えていなかったのかもしれない。心のどこかで、自分が揺らぐことなど無いという驕りを抱いていたのだろう。
「ところでオッタル――もしあの一撃で私が死んだとしたら、貴方はオーネストを殺したかしら?」
オッタルは一瞬、「貴方がそれを望むのならば」と言いかけて、やめた。
あの時のオッタルなら、きっとこうなっていた筈だ。
「殺した後になって『しまった、フレイヤ様の御許に行くために殺されるべきだったか?』と呟くのではないでしょうか」
「ぷっ………あはははははははははは!!ちょっとオッタル、それって最高に面白いジョークよ!貴方ってばオーネストに毒されたんじゃない!?あは、あはははははははははははははは………!!」
オーネストはオッタルのことを「人形野郎」と呼んだ。
フレイヤには当然忠誠を誓っているが、あの男の言ったままのくそまじめな男でいるのも癪だ。
その感情を「毒されている」と呼ぶのなら、俺はそれを認めよう。
= スペースが余ったからネタやるよ! =
もしもベルくんがオーネストパッチをインストールしたら。
「ブモォォォォォォォッ!?」
アイズは、その光景に目が釘付けになった。
幽鬼の如く、ゆらりと前へ進む白き獣を。
兎――否、あれは白狼だ。
爛々と輝く紅い瞳は獲物を逃すまいとギラつき、返り血を浴びた白髪がその狂暴性を示している。
齢15にも満たぬであろう少年の声は、ぞっとするほどに冷たい。
「逃げるな、迷宮の家畜。貴様には逃げ場も帰る場所もない。あるのは目的――命を奪うという目的だけだろう」
第5階層には存在する筈もない凶悪なモンスター、ミノタウロスが仰向けにひれ伏す。
その喉は抉られ、眼球にはナイフが深々と突き刺さり、魔石のある胸の真下を抉るよう
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