最終項『宝探しー?ぉーぱるのつるぎー』
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ありがとう、とっても楽しいひと時だったわ! 彼女たちのその言葉を最後にひときわ強く輝いた光が視界を覆い、転移特有の浮遊感を感じた。
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冷たい風が吹き抜け、思わず体を震わせる。重たい瞼をなんとか上げると青く澄みわたった空が映った。 ゆっくりと上体を起こして周りに視線を配ると〈七色草原〉にいるとわかった。
(ーーあれ、寝てた?)
その割には、やけにリアルな夢を見た気がする。 頬を掻いていると隣で寝転がっていたシィも起き上がると、眠たいのか瞼を擦り、ふぁ〜と大きく伸びをした。 そして、自分同様、周りを見回すとあれ?と首を傾げた。
「……夢?」
もやもやしていると指先に固い物が触れた。 大判の絵本だった。 丁寧な装飾の施された絵本の背表紙には、見覚えのある犬耳をつけた少年と、赤い髪をポニーテールに結った少女が手を繋ぎ、笑みを浮かべていた。 そして、金箔文字で『Story for you(貴方の為の物語)』と綴られていた。
「……夢、じゃなかったんだね〜」
「そうだな」
ふわりと暖かい風が吹き、ぱらぱらとページを捲っていく。そして、白と黒のゴシックドレスに身をつつんだ二人の童女が幸せそうな笑みを浮かべているシーンで止まった。
ーーーありがとう
そんな声が聴こえた気がした。
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