最終項『宝探しー?ぉーぱるのつるぎー』
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手で軽々とキャッチしながら、相棒が不満げに呟いた。
「ちぇっ、落ちないか。ユーリ、頼んだ」
「やっぱりそうなるのね……」
投擲で落とせないなら、直接叩き落とせばいいじゃない。
ダンッと力強く蹴ると、天井を支える大柱へと向かって駆ける。 柱の根元までくると一瞬だけ身を屈め、柱へ向かって思い切り飛び上がった。 期待通り、浮遊するジャバウォックの足元まで到達すると、柱に足をかけそのまま駆ける。 さながらニンジャのような壁走り、もとい柱走りでジャバウォックを抜くと斜め上へと思い切り跳び上がる。
ジャバウォックの背中を眼下に収めると刀を抜き放ち、両手でしっかりと構える。
一瞬の浮遊感を味わった後、重力に体が引っ張られるのに任せてジャバウォックめがけ落ちていく。 そして、猫背に曲がった背中を間近にして、大上段に構えた刀に鈍色のライトエフェクトが宿る。
「ーーー堕ちろぉぉぉぉ!」
気合一閃。 重力エネルギーを味方につけ、両翼の根元のちょうど真ん中めがけて振り下ろす。
刀にしてなぜか打撃判定のある重攻撃〈隕石鉄槌〉が炸裂し、重鈍な音とともに骨がひしゃげた音が響き、着弾点から光の波紋が広がる。 体勢を維持できなくなったジャバウォックは引力に引かれて地面へと激しい音を立てて落下する。
「よっこいせ、っと」
「ワーン、ダウ〜ん!」
衝撃を殺しつつ着地するとダウン状態のジャバウォックへと一斉に畳み掛ける。 物陰に隠れ、ブレス攻撃をやり過ごしていた二人も参加し、1本目よりも早い時間で2本目のHPバーが消失する。
「よし、あと1本目だね!」
「あぁ……」
シィの元気な声が響く。確かにラスト1本 だが、むしろここからが本番と言ってもいい。 通常HPバーを複数持つエネミーはバーが消失するごとに強化され、最後の1本になると今までを凌ぐほど強化を受けるのがセオリー通りだ。
故に油断なく、倒れ伏して動かないジャバウォックを見ていると痺れを切らした女王が王杖を叩きつけながら叫んだ。
「なにをしてる、ジャバウォック! 殺せ!さっさとあいつらを血祭りにあげろ!!」
『……g。 Gruuu……』
主人に一喝されたジャバウォックは緩慢な動作で起き上がった。 だが既に満身創痍で、始めは爛々と輝いた紅い双眸は今では黒く濁っている。
四肢に力を込め、踏ん張ると吼えた。
『GYa、Aaaaaaaaa!!』
ジャバウォックから黒いオーラが滲み出る。 瞳を完全な闇色に染めたジャバウォックからは狂気すら感じられるほど。 劇的な変化を遂げた怪物ジャバウォックは狂気の光を帯びた双眸を自分へと向けた。
ダンッと地面が蹴飛ばされると先
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