暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 神速の人狼
最終項『宝探しー?ぉーぱるのつるぎー』
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
aa!!』

 凄まじい咆哮を上げると、折り畳まれていた比翼を広げ、一度力強く羽ばたくと突風を起こし上へと飛んだ。 羽ばたく度に、強い風が頬を打つなか、上空で俺らを猊下するジャバウォックの口内にチラチラっと赤い炎が見てとれた。

「ちっ、ブレスくるぞ!」
「オーライ!」

 いまだ〈タゲ集中〉の状態は続いており、ジャバウォックもこちらを狙う気満々である。 おそらく避けられないだろう。 少し離れた位置にいたシィがこちらに駆け寄ると一つ目配せし、目の前でくるくると大鎌を回し始めた。 ライトエフェクトを帯びて高速回転するそれはさながらシールドのように見える。 女子に庇ってもらう、など男として情けないことこの上ない。 そんな心情を知ってか知らずか、シィが景気よく声を上げた。

「バッチこーい!」
『GYaaaaaaa!』


 放たれた炎のブレスは、上空で津波のように広がり地上にいる俺らへと襲いかかる。 空気をかき混ぜ、高速で回転する大鎌は襲いかかる炎の波を押し返し、熱波を相殺する。
 ジャバウォックの切り札を防ぎきり、「あちち……」と相変わらず危機感のない言葉を洩らすシィのHPバーは全体の二割ほども削れておらず、今も〈戦闘時回復(バトルヒーリング)スキル〉により、減った分を取り戻している。
 レベルの差があるとはいえ、ボス級の敵の一撃を、加えて高火力に定評のある炎ブレスのダメージをここまで抑え込んだのは、やはり彼女お手製の紅い戦闘服の持つスキル〈回復量増加〉と〈耐属性〉による恩恵が大きいのだろう。
 〈お針子シィ〉の偉大さに感服しつつも、今度は自分が守る番だと彼女の前へと出る。

 だが敵もそれなりに賢いのか、制空権の優位を得たままで降りてこようとはしてこない。 さて、どう出るかと構えながら考えていると背中から声がかかった。

「ねぇ、ユーリ。ちょっとあいつ、叩き落とそうよ」
「オーケー。 頼んだ」

「アイアイサー」と了承の意を示すと、スカートの端を靡かせ、肩幅に足を開くと、 再び大鎌が回される。 しかし、今度は頭上で。 〈大鎌〉の固有ソードスキルらしい。
 ライトエフェクトを帯びて高速で回転する刃はさながら光の円盤のようで触れたものを両断しそうなほどの鋭利さを感じさせる。
 回転数が限界まで達すると、愉悦の色の浮かんだ瞳が上空でホバリングを続けるジャバウォックへと向けられ、ぐっと前へと大きく踏み込んだ。

「ーーセェアァァ!!」

 轟ッと唸りを上げてシィの元を離れた大鎌は、緩いカーブを描きながら宙を翔けるとジャバウォックへと見事着弾した。 グラリと大きく体がふらつくが、ダメージが足りないようで墜とすまでには至らない。
 幾分か回転の衰えた大鎌がカーブを描きながら戻ってくる。それを片
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ